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リフォームよもやま話
 
< 2008年1月分 >

謹賀新年!!
2008年1月7日 
TAKEUCHI(株)
副社長 野々村保恵
●一級建築士
●インテリアコ-ディネ-タ-

2008年1月より「リフォームよもやま話」と題しまして、リフォームにまつわるエピソードなどを書かせていただきます。
どうぞご愛読ください。

お正月と言って思いだすのは、高崎市のAさまのことです。
今から10年ほど前になりましょうか。当時私はリフォーム担当者として、高崎や前橋の様々なお客さま宅を訪問していたのですが、その前年の秋、A様宅では増築工事を担当いたしました。和風の母屋に、居間とダイニングキッチン、寝室を付け足すというもので、リフォームのお打ち合わせはもっぱら50歳代の奥様でした。秋の終盤になりめでたく完成。ウッド調のシステムキッチンやお揃いの食器棚がきれいに収まったダイニングで、ゆっくり奥様と2人、コーヒーをいただくことができました。それは、本当に至福のひと時でした。 さて正月あけに出社しますと、メンテの者が「A様の奥様から1月1日に電話が入りお伺いした」とのこと。驚いて詳しく聞いてみますと、元旦にコールが入りすぐ伺うと、母屋のお便所の便器が割れており、早急な取替えが必要になったとのことでした。便器が割れるとは、それまで私も経験がありませんでしたので、どうしたのかとメンテの者に再度確認しましたら、どうも便器の中でオムツを洗っていて、手があまりに冷たいのでヤカンのお湯を足そうとしたら割れてしまったらしいのです。
私は心底驚きました。確かに母屋の和室に体の悪い義理のお父様がいらっしゃることは聞いてはおりました。しかし、元旦からオムツを洗うような生活を、私は想像だにしていませんでした。 Aさまはいつも柔和な笑顔でやさしく応対され、幸せな奥様そのもののように私には見えていたのです。でもその裏で、元旦から大変な生活があったのです。便器にかがみこんで、お父さまの衣類やオムツを洗う奥様を想像し、絶句いたしました。
当時は「介護」という言葉自体、現在のように一般的ではなく、考えてみますと、私自身その大変さを全然解かっていなかったと思います。確かにお客さま宅へ伺うと介護ベッドに寝ているご年配の方をお見かけしたり、庭先に入浴車が来ていたりはしていましたが、実際の「生活」に結びつけて考えることができていなかったのだと思います。
また現在のように大人用のおむつなどが普及していなかったのかもしれません。介護保険制度が適用になる以前の話ですから、きっと介護する方への負担は相当なものだったでしょう。Aさまの奥様もどんな毎日だったのか、・・・今では想像するしかありません。(この5年後、私自身も母親の介護生活に突入するのですが・・・)
「大変な毎日」を感じさせない、あったかさや大きさを、Aさまにはつくづく感じさせられました。本当に静かな魅力を持った方だったと思います。

「お正月」と言うと思い出す、大切な「お客様の思い出」です。


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