今回はリフォームとちょっと外れますが、ダライラマ14世のお話です。
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2008年5月
TAKEUCHI(株)
副社長 野々村保恵
●一級建築士
●インテリアコ-ディネ-タ- |
最初に私がチベットに興味をもったのは高校生の時で、民俗学の題材としての興味でした。
今から考えると当時私はチベットとネパールの区別がついていなかったと思います。
次に「河口慧海」の「チベット旅行記」を読んで、こんなお坊さんが日本にいたのかと驚きました。何しろ単身で、たいした装備もなく、チベットへ潜入してゆくのです。飄々と、しかも大胆に、そしてこのチベット旅行記の語り口たるや、面白すぎ・・・といった感じで、時間も忘れてこの本(私が読んだのは単行本でしたので、かなりの冊数でした)に没頭したのを覚えています。ですからもしこの先、私が癌にでもなって、もう何もできない、本ぐらいしか読めないとなったら、またこの「チベット旅行記」を再読したいなと思っているぐらいです。講談社学術文庫で現在も販売していますので、良かったら読んでみてください。
次なるチベットとの関係は「セブンイヤーズオブチベット」という本でした。これはオーストリアの登山家が第2次世界大戦の終わりごろ、インドの収容所を脱走してチベットに入り、まだ子供だったダライラマ14世と会うお話です。その後ブラッドピッドが主演して映画になりましたので、ご覧になった方も多いと思います。
その中で、ちいさな虫の命さえ大切にする「チベット仏教」に共感を覚えましたが、大空に翻る「旗」が日本のこいのぼりなどにすごく似ているなあと思いました。最近の研究によるとチベットをルーツとするものが沢山、現代の日本の生活に根付いているらしいですね。
さてダライラマ14世ですが、3年前、九州熊本でダライラマの法話があり、毎日旅行でツアーを募っておりました。なかなか本物のお話を聞く機会がないと思い、早速応募しました。ツアーに行ってみると、結構20代前半の女性などもいますし、単身で参加されている方も多く、私も孤独にならずに、和気藹々と楽しくお寺めぐりができました。(お寺めぐりなんてした事もなかったのですが、何しろ「法話ツアー」ですからね。)
「ダライラマの法話」の当日、朝9時から受付が開始されました。法話は午後1時からですので、随分前から入場するのだなあと驚きました。また入場する際のチェックがものものしく、やはり、ダライラマを快く思わないグループをかなり警戒している様子でした。法話の場所は九州の有名なお寺で蓮華院誕生寺と言いました、広大な敷地の真ん中に立派な5輪の塔があり、この前に高いやぐらが組んでありました。こんな上にダライラマが乗って法話するのかなあと、シチュエーションに驚愕しました。何しろ5重の塔の3重の階あたりにお席がしつらえてあるようで、下の私達からみると、天上を見上げる構図となります。空は風が出てきて、グレイと青の絵の具を混ぜたようなすごい様相をみせています。雨もポチポチ降ってきました。
そしてそんな中で、ダライラマの法話が櫓の高いお席で始まりました。聴衆は1000人くらいだったと思います。題は「色即是空」です。私はダライラマと聞いて何となく世界平和のお話かと早合点していたのですが、法話ですからこういったお話なのですね。まずダライラマ14世がチベット語でお話をされ、それを通訳の方が日本語に直されます。ダライラマは体をリズミカルに動かしながらお話をされました。ゆったりとして、チベット語は解かりませんが、お人柄が感じられるようなお話でした。高齢なので、殆ど動かないでお話されると勝手に考えていましたので、このちょっと落ち着かないような動きは意外ではありました。
「空即是色」、・・・あらゆるものは変化してゆく、一つとして永遠にそのまま留まるものは無い・・・というお話。たまにはこういった話もいいなあとその時思いました。
会場にはキリスト教のシスター達が目立ちましたし、カンボジアだかタイから来た高僧らしきグループが庭の真ん中の一段高いところに陣取ってお話を聞いていましたし、ダライラマ14世が世界中で、宗教を越えて、シンパシーを獲得していることを表していました。
今チベット問題でオリンピックが揺れていますね。ダライラマも現在各国へ行ったりと、大忙しの様子です。資源問題などもあるでしょうから中国もチベットを手放さないでしょうが、言語や文化が違う人たちが同一国家でいるのは、本当に難しいことだと思います。
チベットの方たちが早く心安らかになれることを祈ります。 |