スタッフ日誌

収納リフォームアイディア!
一級建築士が教えるスッキリ収納術 その1

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  • 2017.12.21
  • 首都圏リフォーム事業部

こんにちは!リフォームのタケウチ代表取締役の野々村保恵です。
リフォームのタケウチに寄せられる沢山のお悩みの中で、トップ3に入るのが「収納」です。
長年暮らしてきた家には、気がつけばモノがあふれ、使いたいときに見つからない、取り出しにくい、見た目にも雑然とし、近くのお友達をお茶に呼ぶ気にならない・・・。
そんなことってありますよね。
でも、ちょっと考えてみてください。
収納って「しまう」「隠す」だけでしょうか?

今回のスタッフ日誌では、「しまう」「隠す」だけではなく、「取り出す」と「見せる」を考える、新しい収納リフォームのアイディアを、主婦暦40年・リフォームプランナー暦30年の一級建築士の視点からお伝えします!
20171012ill01perth

 目次
1. 本当に大事なもの・必要なものは何ですか?
2. 一級建築士の収納リフォーム3つのポイント
 ● 生活動線
 ● 高さと奥行き
 ● 仕切りで収納効率アップ!

1. 本当に大事なもの・必要なものは何ですか?
東京などの都市部では、どうしても収納が小さくなってしまいがちです。収納を確保すればするほど、生活空間が小さくなってしまうからです。でも発想を変えると、収納を効率化できれば、生活空間はより大きくとれるはずですよね。
それが「収納マジック」です!

独立した子供のものや旅先で買ったものなど、普段あまり使わないモノに、家の特等席を奪われてしまってはもったいない。モノに押されて、人が小さくなる暮らしはもうおしまいにして、しまうもの・捨てるものを選別しましょう。

しっかり収納できると、便利なだけでなく、高い場所のモノをとろうとして転ぶなどの家庭内事故のリスクも減らせます。
ぜひ今の暮らしを大事にして、残すもの・捨てるものを考えてみて下さい。

20171012photo02 Walk in closet当社リフォーム実例:お雛様や季節物を上部の棚に上げ、手前に衣類を収納。取り出しやすい収納を作りました。

2. 収納リフォーム3つのポイント
さあ、モノの選別が終わったら、次はついに収納プランを作ります!
収納プランづくりで大事なポイントは3つです。

● 生活動線
日々の暮らしのどんなときに、どんなものが必要でしょうか?使う頻度は?
よく使う場面のそばにモノを置いておけば、「しまう」だけじゃなく、「取り出す」ことも快適になります。また事前にしまう場所を考えてプランをたてておくことで、しまう所定の場所がはっきりして、「あれどこに置いたかな?」なんてことも防げます。

● 高さと奥行き
「しまう」と「取り出す」を快適にするためには、高さと奥行きのプランが不可欠です。
重たい大きなものや、よく使うものを高い、深い収納に入れてしまうと、もうそれだけで取り出すのが大変で、使わなくなってしまうことも。また、踏み台からの転倒など、事故のリスクも高くなってしまいます。
以下は「高さと奥行き」の基本的な収納ルールです。20171012ill03illust

:軽いもの、あまり使わないもの
手の届きやすい高さ:日常的に使うもの
:重いもの
手前:日常的に使うもの
:あまり使わないもの

いかに「しまう」かも大事ですが、いかに快適に「取り出せる」かを考えながら、収納プランを作っていきましょう。

また奥行を例にとると、和室から洋室へのリフォームで意外と使いにくいのが、押入れです。
奥行きが90センチの押入れが一般的ですが、クローセットとしては、深すぎて使いにくい・・・。
そんなときは押入れを2つに分けちゃいます!
写真をご覧ください。
20171012photo04closet     20171012photo05Bookshelf

押入れだった空間を、洋室からは深さ60センチのクローゼットとし、反対の部屋から深さ30センチの本棚にリフォームしました。
こうすることで、「しまう」「取り出す」が同時にすんなり出来るようになり、活用できるスペースも広がります!
「奥行き」とうまく付き合うことが、収納リフォーム上手の近道です。

● 仕切りで収納効率アップ!
どんなものをどこに収納するか決まったら、最後に収納の仕切りを考えましょう。
仕切りには、可動式と固定式の2種類があります。
軽いものを収納するのであれば、可動式の方が便利な一方、あまり重いものは収納できません。また一度収納してしまうと、仕切り位置を変更することは少ないため、しっかり収納計画が立ったのであれば、非可動式の仕切りを設計していきましょう。どんな仕切り方がお勧めか、リフォームプランナーが提案してくれるはずです。

20171012photo06movableshelf当社リフォーム実例:間取りを変えてできたデッドスペースに、可動式の棚を作りました。

いかがでしたか?「しまう」だけではなく、「取り出す」という視点からも収納を考えることで、収納の力をグッと引き出せること、お分かりいただけたかと思います。
まずは残すもの・捨てるものを選別して、生活動線を考えながら、高さと奥行きを意識して、収納プランを作ります。最後に収納の中を仕切るプランをつくることで、収納の力を最大限引き出し、快適な住空間を最大限広く確保しましょう!

次回も引き続き、収納リフォームアイディア!その2、「しまう」と「取り出す」、「かくす」と「みせる」の使い分けについてお話しさせていただきます。

お楽しみに!