断熱を高めて快適な住まいに!断熱材の種類
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- 2018.08.23
- 杉並永福店
こんにちは!リフォームのTAKEUCHIです。
秋を感じるような気候で夏も終わりかと思えば、まだまだ暑い日が戻り、今年も残暑が厳しいですね。我が家のクーラーもフル活動です。
そんな外気の過酷な熱をシャットアウトし、快適な住まいを保つために欠かせない「住まいの断熱」について、本日はお話ししようと思います。
住まいは古くは風雨を凌ぐためのものでしたが、最近は「いかに快適に住まうか?」を考えるようになってきています。
夏暑く、冬寒いとせっかく落ち着ける自分の家なのに快適に過ごせませんよね。
リフォームのご相談の中には、「夏暑いんだけど・・・」、「冬をもう少し快適に過ごしたい・・・」というようなお声をいただくことがあります。そんなお悩みを解決し、暮らしの質を向上させるための断熱材について、ご紹介いたします。
1. 断熱材の必要性
2. 断熱材の種類
3. 断熱材の性能
4. 断熱リフォームとは
5. 結露
1. 断熱材の必要性
断熱材は普段の生活の中では見えない、壁の内側などに入れられているため、予算上の都合から材料・施工コスト共に削られてしまうこともありますが、建物の快適性を考えた時には、とても重要な役割を担っているものなのです。断熱材は、「建物の内部と外部での熱のやり取りを少なくする」という役割を担っています。つまり、以下の2点が断熱材の重要な役割となります。
・夏は主に屋外の暑さの影響を少なくするため(冷房効率を高める)
・冬は屋外の寒さの影響を少なくするため(暖房効率を高める)
夏涼しく、冬暖かに過ごすためには欠かせない材料が断熱材だということなんです。
2. 断熱材の種類
断熱材は建物の構造や施工する部位に応じて、色々な種類があります。
現在、よく使用されるものの中から代表的なものをご紹介します。
・グラスウール
みなさんが断熱材と聞いてまず思い浮かべるものがグラスウールなのではないでしょうか。それほど一般的な材料です。
グラスウールはガラス繊維でできており、空気層をつくることで断熱性能を確保しています。グラスウールは一般的に水(湿気)に弱いため、使用する際にはポリエチレン製のフィルムなどにパッケージし、水分にふれないように加工されたものを使用します。
グラスウールにとって雨漏れは大敵です。断熱材が水を含むとペシャンコになり、規定の空気層をつくれなくなり、断熱性能が落ちてしうからです。
グラスウールは木造住宅の壁や天井などに使用されることが多い断熱材です。
また、非常に一般的な材料なので、他の材料と比べて性能が低いなどと誤解されることも多いのですが、そんなことはありません!次章にて、断熱材の性能を詳しくご紹介します。
・ポリスチレンフォーム
製造方法の違いから押し出し法ポリスチレンフォームとビーズ法ポリスチレンフォームの2種類がありますが、こちらの断熱材はボード状に成形されており、グラスウールに代表される繊維系の断熱材と違い、水(湿気)に強いという特徴があります。
木造住宅の床下などに使用されることが多い断熱材です。
・現場発泡式断熱材
これまでにご紹介してきた断熱材とは異なり、施工現場で吹き付けて施工をします。
硬質ウレタンフォームと言われるものが有名です。この断熱材の最も大きい特徴は、建物の気密性が確保されることでしょう。断熱性能を高めるためには、気密性能(隙間をなくす)も影響しますので、まさに一石二鳥です。ただし、価格が高い点が難点です。
3. 断熱材の性能
断熱材の性能は熱抵抗値という数値によって表されます。
熱抵抗値は数字が大きいほど断熱性能が高いということになります。
熱抵抗値(R)=d(断熱材の厚さ)÷λ(熱伝導率)
によって計算することができます。
熱伝導率は断熱材の種類によってかわってきます。
カタログなどに表記されていますので、異なる断熱材でもこの式を使ってどちらの断熱材の方が断熱性能が高いのかをみなさんでも簡単に調べることができます。
でもちょっと数式って難しいですよね。そんなときはぜひお近くのリフォーム店までご相談ください。数式なしでわかりやすく、ご自宅に一番の断熱材を提案してくれるはずです。
4. 断熱リフォームとは
リフォームのご相談の中には、夏涼しく過ごしたい・冬暖かく過ごしたいといったご要望も多く伺います。
最近では床の段差解消や手すり設置の工事をバリアフリーと呼ぶことに似せて、断熱リフォームを「温度のバリアフリー」などと表現することもあります。
日本の住宅環境は、長い時間を過ごすリビングなどを出ると、廊下やトイレ、浴室などは寒いことが多く、10度以上の温度差があることもあります。そうした環境は心臓や血管に負担がかかり、ひどい場合には心筋梗塞や脳卒中などを引き起こすことがあります。
ある統計によると入浴中のヒートショックによる死亡事故は、交通事故による死亡事故数よりも高いようですので、注意が必要です。
浴室や水廻りのリフォームをする際には断熱リフォームも念頭に入れて計画したいですね。
これまでは壁の中など、日常では目に触れない部位の断熱材についてご紹介してきましたが、ひとつ大事な点が残っています。それは窓です。建物の中で最も熱の出入りが大きいのが、実は窓になります。冬の暖房時には建物の熱の出入りの約60%が窓などの開口部からになっています。
断熱リフォームを計画する際には窓の断熱処理も一緒に検討すると効果が高いです。
また、冬だけではなく、夏の暑さ対策も外気や日射の影響を少なくすることが快適さにつながります。
5. 結露
結露についてもよくご相談されます。冬寒くなると北側などにある暖房していない部屋の窓枠や窓ガラスなどに水滴がつくという現象です。
ひどいケースでは、壁のクロスが剥がれ、下地の石膏ボードにカビが生えてしまいます。
まず、結露は何故起こるのかを考えてましょう。
・暖房などで温められた空気は水分を多く含むことができます。日本は局所暖房といって、長く家族が過ごすリビングのみ暖かくすることが多いです。
・水分を含んだ温められた空気が外気の影響を受けた冷たい部位(窓ガラスや窓枠などが多い)に触れ、露点温度に達するとそこで空気に含まれていた水分が水に代わります。
多くの場合、リビングで温められた湿気を含んだ空気が、北側の居室など寒い部屋に移動し、窓や壁面の冷えた部分で結露することが多いです。
結露を防ぐ手段として、露点温度にならないようにする。つまり、外気に接する壁に断熱材を入れる、窓の内側に内窓を設置する等をして外気の影響を少なくする工事が有効な対処法になります。
珪藻土やエコカラット、その他の調湿系壁材のみでの対応では、不十分なケースがありますが、上記の断熱リフォームにプラスして計画するとより結露防止には有効です。
もちろん、調湿系壁材は調湿のみではなく、臭いをとったりする役割もありますし、
デザイン面でも素敵な空間にすることができますので、快適な空間づくりにはもってこいです。
いかがでしたでしょうか。
今回は断熱材についてご紹介しましたが、自分の家で快適に過ごすために重要な要素であることがお分かりになったのではないかと思います。
リフォームというと、どうしても壁紙やキッチンなど、目に見える部分に意識が行きがちですが、実は目に見えない部分によって暮らしの快適さは支えられている部分が多いんです。今回ご紹介した断熱材など、家の基本性能を上げ、暮らしの質を上げるリフォームもぜひ検討してみてください!