スタッフ日誌

目に見えない住まいの下地のお話

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  • 2022.04.12
  • 高崎店

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暖かい日が増え、気持ちが弾む季節になってきましたね。今回ご紹介させていただくのは、日常生活ではなかなか見ることのない壁の下地材として使われている「石膏ボード」です。普段見ることもなく、あまり正体を知らされていない建材ですが、実は使い方によって住まいに思わぬ良い効果をもたらす力があります。

「石膏ボード」とは硫酸カルシウムと水からなる鉱物「石膏」を芯材にして、両面と側面をボード用の紙で包んだ板状の建築資材のことです。住宅をはじめ、オフィスビル、商業施設、ホテル、病院などあらゆる建築現場で、壁や天井などの下地材などに幅広く利用されています。また、耐火性・防火性に優れているため、防火材料としても認定されています。更に、石膏そのものも温度伝達の防止効果を持っていて、厚手のボードや複数枚重ねて貼ることで、住宅の遮音性を高めることもできます。
その一方で、「石膏ボード」は石膏と紙から作られている素材のため、水分や湿気に強くありません。キッチンや脱衣場など、水で濡れていることが多い場所や湿度の高い場所に施工する際は、防水加工された石膏ボードがおすすめです。その他にも石膏ボードに付加価値を加えた商品もありますので、ご紹介します。

●ホルムアルデヒドを吸収分解する石膏ボード
20220405photo03このイラストはホルムアルデヒドの吸収分解メカニズムを表わしたもので、ボード内に含まれる分解剤により無害な物質と水に分解された様子です。※参考:吉野石膏「タイガーハイクリンボード」

ホルムアルデヒドとは刺激臭を持つ無色の気体で、人の粘膜を刺激すると目がチカチカしたり涙が出るなど、シックハウス症候群の原因となる代表的な化学物質です。特に「合板」を作る際に使用されている接着剤に含まれていることが多く、タンスや食器棚などの木製家具はホルムアルデヒドの主な発生源となっています。「タイガーハイクリンボード」という名の石膏ボードは、空気中に浮遊しているホルムアルデヒドを吸収して無害な物質に分解し、再放出しないという特長があります。住宅だけでなく学校・病院・老人ホームなどの健康に配慮した建物でも数多く採用されています。

●抗ウイルス加工の石膏ボード
ホルムアルデヒドを吸収分解することに加え、室内のウイルスを低減させることができるSIAA基準を満たした抗ウイルス加工が施された製品もあります。

●磁石が付く石膏ボード
壁に絵やポスターを磁石で付けて飾ることができる石膏ボードもあります。従来の石膏ボードの表面に鉄粉が混ざった塗料を塗布することによって、下地にこのボードを使うだけでマグネットが付く壁になります。掲示物の取り付けて取り外しが簡単にできますし、壁紙や塗装仕上げの上からでも掲示物の取り付けが可能です。

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絵やポスターを飾っても素敵ですが、マグネット加工されている調湿・消臭機能を持つ
「マグカラット」を壁に貼ってみることもできます。糊や釘、ビスなどを使わず、お好みのデザインで自由かつ簡単に取り付けることができます。普段隠れてしまう下地の石膏ボードも、実は暮らしに役立つ多彩な機能を持っています。住まいのリフォームをご検討の際に、プロのリフォームプランナーにぜひおたずねください。

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