住まい・暮らしのリフォームコラム

メーカー&職人インタビュー 【Vol.02】

暮らし照らすもの 
あかりで実現する理想の住まい

2017年9月25日

今回はパナソニック株式会社エコソリューションズ社ライティング事業部、東部ILC(インテリアライティングセンター)課長で、住宅における照明プランニングやソフト研究に携わる、いわば“ライティングのプロ”、照明士の﨑山昌治さんと、リフォームのTAKEUCHIマネージャーさんとの、「住まいの照明・ライティングの対談」をご紹介させていただきます。

『あかりの文化』ライティングの重要性

—キッチンやバスルームなどの住宅設備が並び、暮らしを体感しながら見学ができるパナソニックリビングショウルーム東京の、照明器具が展示されたまばゆいばかりの空間、「あかり」のコーナーにて対談させていただきました。

TAKEUCHIマネージャー(以下Mさん)﨑山さんをなんだか“先生”ってお呼びしちゃうんですが・・・いいでしょうか(笑)? 先生は、照明のプランニングはもちろんですが、未来の明かりを研究したり、全国各地で勉強会やセミナー講師としても活躍する、「あかりのプロフェッショナル」なんですね!

﨑山さん“先生”って・・・恥ずかしいですね(笑)。ずっと住宅を中心に照明設計をしてましたが、今は、あかりのセミナーにも力を入れています。かれこれ25年ほどになりますね。

Mさんリフォームプランを考えるとき、間取りとか設備の機能とか、フローリングや壁紙、ファブリックなどインテリアに注力してしまって、照明ってついつい見落としがち。でも照明までこだわると、完成したとき全体の雰囲気が全然違いますよね。リフォームプランナーとしても、あかりの事、もっと勉強したいなぁと思いました。

﨑山さんは、講演やセミナーの中で、住まいのあかりを考えるヒントとして、「あかり文化」を紹介しておられますよね。

当社リフォーム実例:格子の建具に、ワーロン紙で仕上げた襖。廊下のあかりを取り込み、和室の雰囲気もアップしました。

﨑山さんはい。人と「あかり」の関係は、照明器具が生まれる前、太陽光や焚き火が中心だった頃から続いています。

例えば焚き火は、元々調理・暖房・照明の3つの役割を担っていましたが、人が自然とその火の周りに集まるんですよね。つまりあかりには人を集わせたり、くつろがせたりする力がある。だから、ダイニングやリビングに「中心のあかり」をつくることで、家族が集い、だんらんやくつろぎの演出をすることができるんです。

Mさんなるほど。住まいの中に照明器具をつける理由も、つける位置も、自然のあかりを元に考えると納得がいくということですね。

﨑山さんそうなんです。伝統的な日本家屋では、障子を通して、庭で反射した太陽光をやわらかく導いていますが、このように間接的にあかりを取り入れることで心が癒される。こんな風に、先人の知恵の蓄積「あかり文化」に学ぶことで、照明器具にも深みを持たせたいと思っているのです。

 

 

ライティングはどのタイミングで考えるのか

Mさんではリフォーム計画を立てる上で、ライティングはどのタイミングで考えるのが効果的なのでしょうか。

﨑山さん間取りが決まったぐらいが適当だと思います。間取りにより家具の配置が決まると、そこでどういう暮らしをするかがわかってくるので。どこに人が集うのか、どこにテレビを置くのか、どこに有効なインテリアが入るのか・・・思い描いた暮らしに合わせて光を入れていくのが理想です。 リフォームの現場では、照明を設置する位置は変えないという例も多いと思います。しかし、どんなに素敵な家具や壁紙も、光が当たって初めて認識されるわけで、ライティングというのは実はとても重要です。できれば配線から変更されることをおすすめしたいですね。

—リフォーム後の生活をしっかりイメージすることが大切なようですね。それに、照明が昔からの文化とも関係してたのは意外でした。現代の暮らしに合う照明や、生活習慣でもよりよいライティングプランがあるようです。次回ご紹介させていだきます。

次回の住まい・暮らしのリフォームコラムは引き続き、
「暮らしのすべてを照らすもの あかりで実現する理想の住まい」
シニアのあかりについて詳しく聞いていきますのでお楽しみに。
リフォームのプロに聞いてみた! 【Vol.02  part2】は、10月2日に更新予定です。