リフォームの後の住まいを
より快適に美しく見せる収納 .part3
2018年4月23日
前回に引き続き、整理収納アドバイザーとして住宅やオフィスの整理、収納方法の提案を行う、いわば“お片付けのプロ”、インブルーム株式会社の伊坪美和さんと、リフォームのタケウチマネージャーによる、「収納の対談」をご紹介させていただきます。 <前回までのお話しはこちらから>
【クローゼットの収納】 押し入れをリフォームしたクローゼット 前編
タケウチマネージャー(以下Mさん)日本人の生活習慣が変わり、布団で寝る家庭が減ったことで、和室を洋室にするリフォームが増えています。その時に、押し入れをそのままのサイズで、クローゼットとして残すことが多いのですが、奥行きがある押し入れサイズのクローゼットを上手に使う方法を教えていただけませんか?
棚やポールを使って工夫できることがあれば、お客さまも取り入れ安いと思うので、ぜひご紹介いただきたいな、と。
伊坪さん奥行きが深い収納スペースは、真ん中から手前半分と奥半分に分けて使います。使用頻度で前後に分け、奥半分は「ほとんど使わないけど捨てられない物」、手前半分は「よく使う物」を入れるとうまくいきますね。
Mさん寝室などでは、上段にお洋服を掛けるハンガーパイプ2本、前後に設置することが多いです。
伊坪さんその場合も、使用頻度で前後に分けてお洋服を掛けていきます。手前が今使う物、奥がシーズンオフの物、と分けるといいですね。あまりぎゅうぎゅうに入れると型崩れしてしまうので、物量はやはり大事なのですが。
ではまずは、夫婦の衣類収納にクローゼットを使用する例をご紹介します。旦那様エリアと奥様エリア、左右に分けていて、上段だけでなく、下の衣装ケースも連動しています。
夫婦の衣類収納術
バッグやベルトはS字フックにかける
バッグやベルトは、S字フックを使ってハンガーパイプにかけるのがオススメ。Sの下側が大きい物を選ぶと使いやすい。ベルトは1つのフックに2本までは掛けてOK。
ハンガーを揃えることで見た目もキレイに
ハンガーは、同じ物を揃えて使うと整って見える。また、首の部分が回るハンガーを選べば、洋服の身ごろを揃えるのに、掛けなおす面倒がなく、キレイに並べられる。
スラックスハンガーを活用
スラックスハンガーは、ズボン吊りハンガーに比べ、必要な高さが半分で済むので、押し入れの棚に当たらず便利。開いた側をドア側にしておくと取りやすくて○。
お出かけセットも収納の中に
腕時計や財布など、毎日のお出かけグッズをトレイにまとめて置くスペースを設けておくと便利。身支度する場所に定位置を設けることで、忘れ物もなくなる。
枕棚にシーズン物を収納
浴衣やダウンジャケットをソフトケースに入れてしまったり、ブーツなどを箱に入れてしまったり、枕棚はシーズンオフの物を置いておくのに便利。
衣装ケースは一段タイプを積み重ねる
洋服を積み重ねて入れてしまうと、下の服が見えず取り出しにくいだけでなく、しわにもなりやすい。18cm(ボトムスを入れる段でも24cm)程度の浅い1段タイプを積み重ねて使いたい。
色グラデ型or 押し出し型で並べる
収納ケースに服をタテに並べる時、前ほど白い色、後ろほど濃い色といった色「グラデ型」にするか、洗った物を後ろに入れていく「押し出し型」にすると、服が着回せる。
ビジネス用とオフ用で仕切る
ハンカチや靴下は1アイテム1収納で入れていくが、ビジネス用とオフ用で分けておくとわかりやすい。100円ショップの仕切りかごなどを上手に使うのが○。
使うシーンでひとまとめに
伊坪さんお葬式などは急なことが多いので、香典袋や黒のネクタイやストッキング、筆ペンなど冠婚葬祭で使う物一式をボックスに入れてひとまとめにしておくと、不足があったり、探したりする手間も省けて、慌てず準備ができます。1つのボックスにまとめておくといいですね。
伊坪さんもうひとつ、このようなデッドスペースにクリーニングボックスを置いて、脱いだ衣類の一時置き場にしたり、使っていないハンガーの置場にするといいですね。カゴのボックスや100均などのファイルボックスを活用するといいですよ。
―押し入れの活用術、いかがでしたでしょうか? ハンガーを揃えるだけ、衣類のたたみ方を変えるだけでも、すっきりとしたクローゼットになりました。便利な収納グッズを利用してみるのもいいですね。
インブルーム株式会社 整理収納アドバイザー伊坪 美和さん
特定非営利活動法人ハウスキーピング協会認定整理収納アドバイザー1級取得。お客様宅に訪問し、ライフスタイルに合わせた最適な整理収納方法の提案を行う「お片付けコンシェルジュ」サービスや、不動産業、住宅業など、法人を通しての収納アドバイスも行う、お片付けのプロフェッショナル。
取材・文:Amiko KOGA (Escript) 撮影:Yutaka KONO(Furattto)
次回も、押し入れを活用した収納術についてご紹介します。
リフォームのプロに聞いてみた! 【Vol.06 part4】は、5月7日に更新予定です。