住まい・暮らしのリフォームコラム

メーカー&職人インタビュー 【Vol.18】

窓からはじめる健康生活 快適な暮らしのカギとなる窓リフォーム.part2

2021年5月27日

「窓」をはじめとした建築用プロダクツを通して、健康で快適な暮らしを提案するYKK AP株式会社。窓はもちろん、玄関ドア・カーポート・エクステリア等々たくさんの製品がずらりと並び、実際の暮らしがイメージできる、東京新宿のショールームにて、リフォームのTAKEUCHIのプランナーTさんが、YKK APの清水さんにお話をうかがってきました。※撮影に際しては、感染防止策を講じ、撮影時のみマスクを外しています。

2. 窓リフォームでつくる安全な住まい

壁を壊さず設置できる「かんたんマドリモ」

出典 YKK AP:

Tさん窓リフォームに関しては、“冬場寒いので内窓をつけたい”というご相談が一番多いです。断熱リフォーム、省エネリフォームとして補助金制度※が活用できるケースが多いこともあり、特に工事件数が増えています。多くの場合は、御社の「かんたんマドリモ(マドリモ)」を使わせていただいています。(※参照:2021年5月現在、「グリーン住宅ポイント制度」の対象工事になります。)

出典 YKK AP:「かんたんマドリモ」。https://www.ykkap.co.jp/products/reform/madoremo/

清水さんありがとうございます。私はお部屋を暖かくするリフォームの中で、一番費用対効果が得られるのが、マドリモをはじめとした断熱窓の設置だと感じています。家と外で出入りする冷気の5~6割が窓から逃げると言われていますので、壁の断熱材を入れる以上に効果が感じられるはずです。

Tさん断熱効果が高くて、工事が簡単というのもいいですよね。マドリモを使えば、壁を壊すような大規模工事が不要で、搬入から設置まで約2時間ほどで終わってしまいますので。

清水さんそうですね。マドリモの設置方法は大きく2つあり、今ある窓の内側にもう一つ窓を取り付ける「マドリモ・内窓プラマードU」と、既存の窓枠の上から新しい窓枠を取り付けて、窓を交換するカバー工法と言われる「マドリモ・断熱窓」があります。

どちらの方法を採用いただくかは、窓の場所や開閉頻度で決めていただくのがいいと思いますが、内窓は2回開閉をすることになるので、日頃、開け閉めすることが少ない窓におすすめです。カバー工法の断熱窓は、見た目もすっきり仕上がりますので、LDKなどの人が集まる大きな窓に採用するといいと思いますが、 新しく枠を被せるので、開口が小さくなるので注意が必要です。

清水さんただ、弊社のカバー工法は、そんなデメリットをできるだけ改善したこだわりのつくりになっていて、断面図で見ていただくと分かりやすいかと思いますが、枠の厚みが出ないよう、既存の枠を、すっきり仕上げられるようになっています。

Tさん断面で見るとよくわかりますね。そんなに厚みも出てないので、これなら仕上がりも違和感がなさそうです。

 

家の弱点を補う窓リフォーム

Tさんお客さまがリフォームを検討される際には、どうしても室内の設備が優先になってしまって、窓ありきでプランするということは少ないんですよね。

清水さんそうですよね。リフォーム市場の売り上げ構成比を見てみても、設備や水まわりが7割を占めていて、私たちの扱う「窓開口部」と言われるところはごくわずかです。しかし、窓って実は、家の弱点にもあるので、しっかり補強する必要があるんですよ。

 

これは私たちがさまざまな製品開発をしてきた背景でもあるのですが、毎年「ヒートショック(家の中で温度差の大きな場所へ移動した際に、血圧が急激に変動することで、失神、心筋梗塞、脳梗塞などを引き起こす現象)」が原因で亡くなる人が交通事故で亡くなる方の5倍にまで増えているデータがあります※。そして、夏に熱中症で亡くなる方の4割が家の中というデータもあります※。さまざまな調査や研究から、「家の中が危険だ」と言われるようになってきまして、その原因の一つが窓だろうと考えられるようになったんですね。(※参照:YKK APホームぺージ「マドコト」)

Tさん言われてみると確かにそうですね。直接的ではないので気づきにくいですが、窓を強化することで、これらの事故の可能性も軽減できますよね。

出典 YKK AP:耐震フレーム+窓という組み合わせの製品、「FRAMEⅡ(フレームⅡ)」。窓を減らさず耐震補強を可能にし、同時に窓まわりの断熱化も。

Tさんまた、台風や地震でも、窓は弱点になりがちですよね。特に昔ながらの日本家屋は湿気対策を重視したからか、窓が多いです。耐震計画を含めたリフォームの際、窓の数を減らして耐震補強を入れるケースが多いです。

清水さんそうなんですよ。ですが、ただ筋交いを入れたり、構造用合板を入れたりして窓を小さくすると、今度は「光」や「眺め」が採れなくなる。なるべく窓を大きく取りたいけどしっかり耐震もしたい、という市場のニーズを汲んで、弊社でも、窓リフォームと耐震リフォームが同時に実現できる製品を作っています。

Tさん窓の大きさを維持しつつ、耐震性も確保できるというのは嬉しいですね。

清水さんリフォームは、設備の故障で必要に迫られるケースが多く、工事箇所の優先順位をつけると窓は後回しになってしまうお客さまが多いと思います。窓にこだわること=贅沢品のように捉われがちなんですが、窓を変えることで、暮らしにもたらす良い変化、快適な住空間の実現に重要であることを、私たちは訴えていきたいと思っています。

――簡単工事で断熱効果抜群の窓リフォームは、夏場はエアコンの光熱費を抑えつつ快適に、冬場も省エネで家中あたたかい住まいをもたらしてくれます。年間を通して必要性の高いリフォームと言えそうですね。また今なら「グリーン住宅ポイント制度」の対象工事ですので、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

次回part3は、6月11日に更新予定です。

 

リフォームコラム 【Vol.18 part3】は、2021年6月11日頃に更新予定です。