住まい・暮らしのリフォームコラム

メーカー&職人インタビュー 【Vol.06】

リフォームの後の住まいを
より快適に美しく見せる収納 .part4 

2018年5月7日

前回に引き続き、整理収納アドバイザーとして住宅やオフィスの整理、収納方法の提案を行う、いわば“お片付けのプロ”、インブルーム株式会社の伊坪美和さんと、リフォームのタケウチマネージャーによる、「収納の対談」をご紹介させていただきます。 <前回までのお話しはこちらから>

【クローゼットの収納】 押し入れをリフォームしたクローゼット 後編

―前回「押し入れをリフォームしたクローゼット前編」として、衣類を中心とした収納術を教えていただきました。今回は、シニア世代に多いご相談から、押し入れの収納術を聞いてみました。

タケウチマネージャー(以下Mさん)押し入れ型の収納でも、年配の方ほど使わなくなっていくスペースというのがあって、キッチンの吊り戸棚と同様、高くて届かない枕棚、あと、下段の奥のスペースもそうですね。腰が痛くて奥の物を引き出せなくなってきますからね。すのこ板にキャスターをつけて、押し入れのいちばん下にいれることをおすすめしたことがありますが。

伊坪さんそうですね。年配の方に限らず、キャスターは付けておくことをおすすめします。前回奥行きがある収納の基本は、前後に分けて使うことというお話をしましたが、この点でもキャスターを付けるのは必須です。手前に置く物にキャスターを付けておかないと、奥の物は、二度と取り出せない物になってしまいますので。

Mさん年を取るとお布団を出し入れするのも大変ですよね。

 

 

 

伊坪さんお布団は、特に重ねて入れてしまうと、下の方ほど取りにくくなってしまうので、コの字ラックなどをうまく使うのが一つの技ですね。下段に引き出しを入れてシーツやタオルケットを入れることで小物も取り出しやすくなります。
そのほかのシニア世代におすすめの収納術もまとめてご紹介しますね。

シニア世代の収納術

お布団収納にはコの字ラックを活用
布団は重ねると取り出しにくくなるので、段を設けて重ねすぎないように。コの字型ラックを2つ並べて、すのこ代わりに使うのが便利。下のスペースには、タオルやシーツを分けていれておくと、取り出しやすい。

 

デッドスペースにストック品
なかなか買い物に行けない人は、デッドスペースを上手に活用して、ティッシュやタオルなどのストック品を置いておくと便利。

 

 

 

 

季節用品は奥に入れてしまう
お正月飾りなど、年に1度しか使わない飾り物は、箱に入れて奥へ。

 

 

 

 

季節家電を手前に、重要書類や趣味の作品を奥へ
家電も直置きすると、一つ一つ取り出す必要が生じて煩わしいので、キャスター付きの台座の上に置くのがポイント。後ろの書類などを探す際にも、腰に負担をかけることなく簡単に引き出せる。
マンションの重要書類、保険証券、家電の取扱説明書などの書類、思い出のアルバムなどは、カラーボックスに棚差しで入れることで、見やすく探しやすい。編み物や縫い物など趣味の作品はボックスなどに入れて納めておきたい。

 

伊坪さんこの他にもおすすめしたいのが、「入院グッズ」の用意ですね。パジャマやタオル、洗面用具など入院時に病院に持って行きたい物をまとめて鞄に入れておけば、急な入院でも、慌てずに準備ができます。
夫婦の衣類中心の収納と、シニア向けの収納、2つの使い方を想定して収納してみました。押し入れって日本ならではの、すごく贅沢な収納スペースですので、使い方次第で快適な空間になると思いますよ。

―シニア目線での押し入れ収納術、いかがでしたでしょうか?出し入れがスムーズになるだけで、ぐっと使いやすい収納になりましたね。押し入れならではの奥行きを利用して、すっきり収納上手になれそうです。

次回で「リフォームの後の住まいを、より快適に美しく見せる収納 」最終回となります。
リフォームのプロに聞いてみた! 【Vol.06  part5】は、5月14日に更新予定です。