リフォームの後の住まいを
より快適に美しく見せる収納 .part5
2018年5月15日
前回に引き続き、整理収納アドバイザーとして住宅やオフィスの整理、収納方法の提案を行う、いわば“お片付けのプロ”、インブルーム株式会社の伊坪美和さんと、リフォームのタケウチマネージャーによる、「収納の対談」をご紹介させていただきます。 <前回までのお話しはこちらから>
―4週に渡りお届けしました「リフォームの後の住まいを、より快適に美しく見せる収納」、今回で最終回となります。最後に重要なポイントを聞いてみました。
【収納アドバイス】 リフォーム後、収納グッズは新調する
タケウチマネージャー(以下Mさん)キッチンとクローゼットの収納術を見てきましたが、収納グッズの使い方が大きなポイントでしたね。
伊坪さんはい、上手に活用して欲しいと思います。
注意点として、収納グッズは最適なサイズでなければ意味がないので、リフォーム後にきちんと採寸して、新調して欲しいと思います。
よく、ハンガーラックやチェストを使っていた人が、もったいないからといって新居のウォークインクローゼットで使おうとする、ということがあるんですが、それではせっかくの収納スペースを無駄にすることになってしまいます。
そうは言ってももったいない精神が働いてしまうのはわかるので、私たちインブルームでは、どこでも使える可動式の収納グッズを提案するようにしているんですが。
Mさんそれと、やはりプロの手を借りるというのは必要なことだと思いました。片付け収納って、誰でもできることだと思われがちですが、そうではないんですよね。特に、リフォーム直後にプロの力を借りて、物の入れ方を整えることで、その後のストレスが全然違うだろうな、と。
弊社でも、インブルームさんの収納アドバイスが受けられるリフォーム特典を用意しているので、積極的に使っていただきたいです。
「夢の暮らし」ではなく「リアルな生活」を話そう
伊坪さんご利用いただく際に気をつけていただきたいのは、ありのままの生活を話していただきたいということです。
例えば、私たちがお客さまのクローゼットの整理をするときには、洗濯は毎日するのか、2日に1回なのか、週に1回なのかといったことをお伺いします。それによって、必要なタオルや下着の枚数が変わってきますので。
キッチン収納をするときは、最初に左利きか右利きかをお伺いして、物を置く場所を考える。ゴミは毎日捨てられるのか。それによってゴミを収納する場所やゴミ箱のサイズが変わってきます。買い物も、スーパーに買いにいくのか、ネットショッピングか、店までの距離は遠いのか近いか。遠ければ物をストックする場所が必要になる。でも店が目の前ならストックの場所は必要ない。
時間はかかりますが、こうした細かなことを一つひとつ聞いていかないと、お客さまに合った収納はできません。
Mさんそういうところはリフォームも同じですね。その部屋でお客さまが何をするのか、生活の様子が見えないと提案ができませんので。
収納の相談でも、実際にどう使うかというところを相談すべきなんですね。
伊坪さんはい。作った空間で毎日生活をするわけで、ホテルに住むわけでもモデルルームに住むわけでもないですからね。夢だけを語るのではなく、泥臭いというか、生活の瞬間瞬間の細かい作業こそを話して欲しいです。
それをいかに描いた夢に近付けていくかということを考えると、やっぱり収納は大事なんですよ。
Mさん玄関にはいつも買ったばかりのキレイな靴が並ぶわけじゃないし、洗面所のタオルだって、くたびれてくるわけです。
それでもキレイな状態を保つための「動線」を考えるのが収納なわけですね。
本当に奥深いです。
伊坪さんお片付けはプラスではなく、マイナスで考えていかないといけないんですよ。引っ越し直後の家で、荷物がいっぱいで落ち着かない、という経験をした事がある人は多いと思いますが、雑然としていると落ち着かないというのは頭が忙しいからなんです。
洋服棚を整理することで痩せるとか、化粧品を整理することで肌がキレイになるとか、本を整理することで頭が良くなるとか、いろいろなエピソードがありますが、要するに減らすことで頭が整理され、本当に自分にとって必要な物が見えてくるわけですね。
夢の暮らしを見つけるのに、整理収納アドバイスをお役立ていただければと思います。
―快適な暮らしを実現する上で「収納」は、とても大事な要素ということがよく分かりました。雑多になりがちな収納の中はあまり見せたくないものですが、思い切ってプロに相談してみることが、よりよい暮らしへの第一歩となるようです。
インブルーム株式会社 整理収納アドバイザー伊坪 美和さん
特定非営利活動法人ハウスキーピング協会認定整理収納アドバイザー1級取得。お客様宅に訪問し、ライフスタイルに合わせた最適な整理収納方法の提案を行う「お片付けコンシェルジュ」サービスや、不動産業、住宅業など、法人を通しての収納アドバイスも行う、お片付けのプロフェッショナル。
取材・文:Amiko KOGA (Escript) 撮影:Yutaka KONO(Furattto)
次回はテーマが変わります。
住まい・暮らしのリフォームコラム 【Vol.07 】は、6月に更新予定です。