機能性とデザイン性を両立して、使いやすく居心地のよい空間に! 理想を叶えるキッチンリフォーム
2023年9月6日
住まいの中でキッチンは調理するだけでなく、食卓を囲みながら家族がコミュニケーションを取れる大切な場所。それぞれに思い描く理想があると思いますが、リフォームを考えるときメーカーやデザイン、グレードやオプション等の仕様が多彩なため、どれを選ぶか悩んでしまう方も多いと思います。そこで今回はTAKEUCHIのベテランリフォームプランナー4名に、キッチンを選ぶ際のポイントや、リフォームを成功させるためのコツを聞いてきました。
2.自分に合うキッチンの選び方
──前回に引き続き、TAKEUCHIのリフォームプランナー4名による「キッチンリフォームに関する座談会」、お客様から多くいただくご質問から、ご自身に合わせたキッチン選びを聞いてみました。
●自宅に合うキッチンは?トレンドや人気のキッチンを知りたい
表面が鏡のようにツルっとした素材の鏡面仕上げの扉材キッチン。
無塗装のフローリングに相性のよい、マットな質感のキッチン。
Sさんリフォームは既存との調和も大事なので、キッチンの扉材選びに迷う方も多いですよね。鏡のように反射があるツルッとした鏡面素材、木目調、石目調、清潔感から白の扉材も根強い人気があると思いますが。
Kさん最近はマットな素材感も増えていますね。その背景としては、コーティングされたフローリングが主流だったのが、ここ近年、素足での感触が気持ちいい無垢フローリングや、無塗装のフローリングの人気が高く、それに合わせて扉材のテカリを抑えたグレー系やベージュ系が増えたように思います。キッチンも家具のように統一感を持たせて選べるようになってきたということですね。
Aさんどのメーカーもグレードが上がるほど、扉材の選択肢の数は増えますね。スタイリッシュな空間にこだわりたい方は、コンクリートや大理石のような石目調にすると高級感もアップします。また、色に目がいきがちですが、カラーだけでなく質感も大事なポイントです。質感はカタログ写真からは伝わりづらいので、ショールームで実物をみていただいた方が絶対におすすめです。サイズ感や動線も合わせて確認できますので、実際の使い心地を体感されてみてほしいです。
●ワークトップ(キッチン天板)は何を選んだらいい?
カウンターとシンクが一体成型の人工大理石のワークトップ。
Mさん扉材と同様に、ワークトップ(キッチン天板)も悩みどころですよね。
Sさん天板は人工大理石が主流ですよね。他には、ステンレスやセラミックが多いでしょうか?
Aさん以前は天板が人工大理石でシンク(流し)がステンレスの組み合わせが多かったですが、最近は、天板と流しが一体成型になって、継ぎ目がないものが多くありますね。人工大理石は白いのでキッチン全体が明るくなりますし、一体成型だと隙間がなくて掃除もしやすいなどのメリットがあります。
Mさんただ人工大理石は汚れが目立たないと思われていますが、元の素材は樹脂なので、三角コーナーの汚れが染みついたり、色移り、黄ばみが発生してしまうという点は注意したいですね。
Aさんそうなんですよ!じつは我が家も人工大理石で汚れが気になってしまって…。時々漂白剤で掃除をしてるのですが、酸性やアルカリ性、塩素の入った洗剤は逆に素材を傷めてしまう可能性があるので、酸素系漂白剤でお手入れしてます。あとプロのハウスクリーニングに依頼したこともありました…。
熱やキズ、汚れに優れた耐久性を発揮するセラミックワークトップ。
Kさん意外と人工大理石は日々のお手入れが必要だったりしますよね。人工大理石は包丁の刃が当たったり鍋をぶつけたりすると欠けることもありますし、熱いものを直接置くのはNGです。なので、最近私も、セラミック天板がいいなと思ってます。
Mさんセラミックは少々お値段が張りますけど、高級感があって丈夫で、染みたり黄ばんだりしないのがいいですね。メーカーによって異なりますが、ワークトップは人工大理石(または人造大理石)、セラミック、ステンレスなどから選んでいただけますので、ぜひ比較していただきたいです。
●プランナーも大注目のダブルシンク
Aさんキッチン天板で意外と白熱してしまいましたね(笑)。
あとよくいただくご質問に機能やオプションがありますね。各社ごと話してしまうと膨大になるので、最近のいちおしになりますが、トクラスの「スムースワークシンク」、LIXILの「Wサポートシンク」など、ダブルシンクが注目です。水洗いした野菜や麺の湯切りの際など、シンクに直置きしたくないものを一時置きするのに便利だなと思います。また作業スペースが広く確保できるのもいいですね。
ダブルシンク。段差があることで野菜の一時置きや、作業スペースも広くとれる。
Sさん私も大注目してます!魚をさばくこともあるので、サポートシンクを使えばウロコ取りも飛び散りにくく、ゴミのゾーンも分けられて便利だし、衛生的ですよね。
KさんSさん、魚もさばくんですね。今日用意されているケーキも、Sさんお手製の差し入れということで感激しています。今度レシピを教えてください。
Mさん、Aさん私たちも知りたいです(笑)。
●お掃除をラクにするレンジフード
Kさんレンジフードのお手入れも困っている方が多いですよね。お手入れがラクな製品で言うと、LIXIL「よごれんフード」、Panasonic「ほっとくリーンフード」、クリナップ「洗エールレンジフード」が代表的なものでしょうか。
LIXIL:「よごれんフード」。整流板を外すと、オイルトレーと回転ディスクがあり、中のファンに油汚れが付着することがほとんどないため、普段の掃除は拭くだけでOK。回転ディスクは3ヶ月に1回程度の水洗いでお手入れは完了。
Mさん自宅がLIXILの「よごれんフード」です。吸いこんだ油煙を、空気と油に分離してくれるので、お掃除が大変な中のファンは汚れず、オイルトレーも拭くくらいでお手入れOKなのでラクちんです。ただ私、汚れが気になってしまって週1回で整流板とオイルトレーも洗ってるんです…。そのとき、整流板がシンクに入らないので、洗いたい方は、TOTOの「スーパークリーンフード」のようにシンクにピッタリ入るものは親切だと感じます。
撮影場所の西武練馬店のキッチン。TOTOのスーパークリーンフードを展示。
整流板がTOTOキッチンの流しにはぴったりはまるサイズになっている。
クリナップ:「洗エールレンジフード」。フィルターをファンと一体化させた新構造のファンフィルター。給湯トレイからの水流でファンを丸洗いする仕組み。約2ヶ月に1回の洗浄で約10年間ファンフィルターを取り外さずにお掃除が可能。給湯トレイと排水トレイは食器洗い乾燥機での洗浄もOK。
Sさん実家がクリナップの「洗エールレンジフード」なので、日常のお手入れはラクですが、排水トレイを手洗いするのがちょっと大変という話を聞きました。同じ“基本お手入れが約10年不要”と言われているPanasonicの「ほっとくリーンフード」のラクウォッシュプレートの方が洗いやすそうです。ただ、双方とも、食器洗い乾燥機での洗浄OKと言われているので、以前から比べると各段にレンジフードはお手入れがしやすくなってますね。
Panasonic:「ほっとくリーンフード」。ファン自体が自動で高速回転し写真のラクウォッシュプレートに油を捕集。ファンのお手入れは約10年間に1回相当というほど汚れが蓄積しない作りになっている。ラクウォッシュプレートは食器洗い乾燥機での洗浄OK。
Aさんレンジフードの部材を食器洗い乾燥機(以下食洗機)で洗えると便利ですよね。私もずっと手洗いで頑張ってきましたが、「食洗機で洗いたい!」という声はお客様からも多かったです。他にも、トクラスの「サイクロンフードⅢ」は小形フィルターなので食洗機で洗えますし、中はメンテナンスフリーと言われています。ホーロー素材にこだわりのあるタカラスタンダードは、フィルターもホーロー製でこちらも食洗機対応です。
レンジフードは清掃性もどんどん上がってきていますので、ご自身にあったお手入れ方法で選んでいただけたらなと思います。
取材・文:Kyoko TODA 撮影:Tsutomu MURAYAMA
――キッチンの扉材、天板、シンクとレンジフードをプランナーならではの視点や実際に使ってみての声から聞くことで、よりイメージがわきますね。こうした話を参考に、ご自身に合うものをじっくり探してみてはいかがでしょうか?
次回【コラムVol.27 part3】では、ライフステージの視点からキッチンのお話しさせていただきます。