住まい・暮らしのリフォームコラム

メーカー&職人インタビュー 【Vol.11】

愛着ある我が家に 長く安全に住むための耐震リフォーム.part3

2020年7月17日

安心・安全・健康・快適という視点で住宅はもちろん、公共・商業施設にも高機能な建材を提供する大建工業株式会社。多数ある主要製品の中でも、耐震リモデルに適した製品「かべ大将」は、耐震対策リフォーム工事に欠かせない建材です。そうした製品の販売促進に携わる升井 博之さんに、「これからの耐震リフォーム」について、リフォームのTAKEUCHIの耐震診断士NさんとリフォームエンジニアTさんが、話を聞いてきました。 ※当取材は、2019年2月に取材したものです。

3.耐震の重要ポイントとなる「壁」

内壁を補強する耐震リフォーム

Nさん補強計画を立てる上で重要になるのが「壁」です。例えば、屋根の重さによって必要な壁の量は異なりますし、壁の配置バランスが悪いと、建物の重心と強さの中心(剛心)の距離が大きくなり、ねじれが生じてしまいます。また、壁を筋交と金物、構造用合板、耐震面材などで補強することで、「耐力壁(地震力を負担する壁)」をつくることができます。  必要な壁の量をバランスよく配置することが大切ですね 。

 

天井や床を壊さず改修できる「かべ大将」。大壁タイプ、真壁タイプなどあるが、いずれも3枚の耐震パネルをビスで留める仕様。大きな板を一枚持ち込むことによる作業現場の負担を減らせるだけでなく、分割することで変形による割れを防ぎ、強度を上げる目的も。

升井さんそうですね。耐震性不足の多くの住宅で「壁の量が足りない」という問題を抱えています。「内壁補強」で、壁の量を補うことで家の耐震能力を上げることができます。 弊社の「かべ大将」という商品は、耐震改修による付帯工事を最小限にすることで施工コストを抑え、工事のハードルを少しでも下げたい、というところで開発した商品です。

フローリングは剥がすけれど床組みは壊したくないとか、和室の真壁の天井を壊すのは大変だ、というときに、使っていただけたらな、と 。

Tさん天井も床も壊さずに取り付けができ、工事日数も短くできるので、多くの耐震リフォームで使わせていただいています。

Nさん戸袋があって壊せないとか、2階のバルコニーを取らないと筋交が入れられないとか、工事を進める中で「壊せない」となったときに使うことも多いですね。特に和室は、大きく壊したくない場合が多いんですよね。「かべ大将」なら長押も残せる。

 

 

升井さん例えば当社で紹介している改修プランでは、筋交や構造用合板といった一般的な工法を使うことなく、「かべ大将」で6ヶ所補強することで、耐震評点を0.54から1.02に上げています。もちろん、劣化部分の補修による減点要素をなくしたりもしていますが、「かべ大将」なら、補強箇所を選ばずに施工できるので、壁の配置バランスの改善にもつなげやすい。

参照:DAIKENホームページ 地震対策製品 かべ大将https://www.daiken.jp/product/contents/taishin/kabe.html

Tさんこの例の場合で、施工コストが約3割お得というのだから、やはりスゴイですね。

Nさんあと、筋交よりも面材のほうが地震のときに“粘る”というのもありますね。

升井さん筋交は、骨組みや四隅など、点に力が集中するので、地震で大きな力が掛かったときに、外れたり折れたりして一気に力をなくすことがあります。しかし、耐力面材であれば、広いエリアに力を分散するので大きな力にも耐えられる。それがおっしゃっていただいた粘り強さですね。 弊社で、筋交工法によるものと、「耐力面材ダイライトMS」で施工した実物大家屋を使った振動実験を行ったのですが、震度4〜7相当の揺れを繰り返し3回与えて比較した結果、筋交には複数箇所の破損が生じましたが、ダイライトには破損は見られず、変形量も筋交の4分の3でした。揺れの力を分散する耐力面材の優れた耐震性能が証明された形です。

Tさん「かべ大将」は、「ダイライト」と同じ素材なんですね。

升井さんはい。弊社がダイライトのMSをはじめとした商材で面材工法を普及させようとしていた頃に、耐震のリフォームというのが言われ始めたんですね。今住んでいるところにあと10年20年、安心して安全に住んでもらいたいと考えたときに、やはり、耐震改修に使い勝手が良い商材を作ることで貢献したいと、誕生した商品です。ダイライトと同じ素材でありながら、補強箇所を選ばず、幅広い建物プランにも対応できる多様性を持っています。

―湿気による劣化、熱、白アリにも強いDAIKENの「ダイライトシリーズ」。だから地震にも耐えられる強い素材なんですね。 安心・安全・健康・快適を目指し製品開発を続けている大建工業さんの英知がつまった製品といえますね。 このお話は、リフォーム体験談【コラムVol.11 part4】に続きます。お楽しみに!

 

リフォームコラム 【コラムVol.11 part4】は、2020年7月24日頃に更新予定です。