愛着ある我が家に 長く安全に住むための耐震リフォーム.part4
2020年7月24日
安心・安全・健康・快適という視点で住宅はもちろん、公共・商業施設にも高機能な建材を提供する大建工業株式会社。多数ある主要製品の中でも、耐震リモデルに適した製品「かべ大将」は、耐震対策リフォーム工事に欠かせない建材です。そうした製品の販売促進に携わる升井 博之さんに、「これからの耐震リフォーム」について、リフォームのTAKEUCHIの耐震診断士NさんとリフォームエンジニアTさんが、話を聞いてきました。 ※当取材は、2019年2月に取材したものです。
4.建物の内側を強くする
内装補強で安全を確保する
升井さん住まいの耐震対策と言ったときに、もう一つ忘れてはいけないポイントがあります。内装補強です。万が一地震が起きたときに建物の中に止まるのは危険な場合が多いですので、まずは避難経路を確保するということが重要です。常日頃から、収納を含めてすっきり片付けておき、動線を確保することは重要かな、と。
Tさん東日本大震災では、建物の倒壊による被害は少なかったものの、室内で家具が倒れたり、ガラスの飛散で亡くなったり、怪我をされた方が多かったそうですね。
升井さん家具や電気製品の転倒防止ということで、つっぱり棒やL字型の店頭防止金具を使って壁や天井に固定する、というのはよく言われていますね。あとは地震の揺れによって扉がひらき、飛び出した物で負傷する危険があります。弊社ではミセルというシステム収納商品を展開しているのですが、扉に耐震ロックがついていて、地震による揺れの力がかかっても、扉が開いて中身が飛び出さないようになっています。
Tさんデスク、チェスト、TVボードさまざまありますが、カラーも豊富でオシャレですね。
升井さんありがとうございます。我々としては家を強くするというのも大事ですが、住まわれる方が安全に過ごせる、というのも耐震を含めた防災というのが貢献できるところなのかな、と考えています。リフォームの機会に耐震をとお考えの方には収納の安全性も意識していただけたらと思います。
建物の耐火対策
Nさん阪神・淡路大震災では、地震によって火災が発生し、倒壊した建物が消防車両の進路を塞ぎ、消火活動が遅れ、延焼が重なり被害が拡大しました。木造家屋が密集している地域では特に、気を付けなくてはなりません。
升井さん近隣からのもらい火を防ぎ大切な財産を守るためにも、自宅が火元となって燃え広がる延焼を防ぐためにも、建物の耐震性能だけでなく、防耐火性能を高めておくことが重要です。
「ダイライト」は燃えにくい無機質素材で、準不燃材料として認定されていています。また、天井材にも準不燃認定を取得した商品があります。こうした商材を活用していただくことで、火災に強い家を作れますし、もしもの場合にご家族が安全に避難できる時間的な余裕を確保することができます。
Nさん耐震と言うと、構造ばかりに目がいきがちですが、内装補強の考え方は大切ですね。
升井さん構造と内装、家を強くするポイントを押さえたリフォームをしていただくことで、地震に強いだけでなく、家を「長持ち」させることができます。
Tさんそもそも「なぜリフォームで耐震するのか」を考えると、長く住みたいからなわけで、住宅を長持ちさせるという意識でリフォームを考えていくことはとても重要ですね。今一度しっかり考えるいい機会になりました。ありがとうございます。
升井さんはじめにNさんもお話されてた通り、国土交通省が発表している「住宅の耐震化の進捗状況」を見てみると、平成25年現在で、総戸数のうちの耐震性がある住宅の割合を示す「耐震化率」の推計値は82%。平成32年までに95%の目標が設定されていましたが、遠く及んでいないのが実情です。
そんな中で、私たちメーカーにできることは、エンドユーザーであるお客さまに対して、「耐震をどこまでやればいいのか」「どれぐらいの効果が得られるのか」という目に見えづらいところをわかりやすくお伝えしていくことだと思っています。こちらこそいい機会をいただいて、ありがとうございました。
―耐震対策は目には見えづらい部分ですが、地震はいつやって来るかわかりません。不安に思うことがあれば、”まずは相談”が第一歩ですね。お住まいそれぞれに合わせた耐震対策・方法を、リフォームのプロと一緒に考えてみてはいかがでしょうか?
大建工業株式会社 国内事業本部 国内販売推進課(2019年2月取材当時)升井 博之さん
新築、リフォームの耐震建材販売促進に携わる。住宅から公共施設・商業施設にいたるまで、くらしの価値を高める豊富な建材を取り揃える大建工業株式会社の製品は、サステイナブルな視点でも、人々の暮らしに求められるさまざまな機能を付加した素材を多く提供しています。そうした視点から開発された耐震建材は、新築・リフォーム問わず、幅広い住宅作りのシーンで使われています。
取材・文:Amiko KOGA (Escript) 撮影:Yutaka KONO(Furattto)
次回はお話が変わります!リフォームコラム 【Vol.12】は、2020年8月頃に更新予定です。