住まいに風合い豊かな無垢材を取り入れ いつもいつまでも心地よい空間をつくる.part2
2021年1月29日
1935年に木材業として創業し、木との対話を通して、自然と人との調和から生まれる心地良さを提案している、株式会社ウッドワン。中でも無垢の木を使った床材は、創業当初から良質な住まいづくりに欠かせない建材として広く流通し、現在はキッチンや洗面台、建具、ファニチャーまで、無垢材の製品を展開しています。また、自社で製品づくりに必要な植林活動も行い、地球環境からも社会貢献を重視。そこで、販売に従事されている、開発営業部の菅さんと竹本さんに、お話を聞いてきました。 ※撮影に際しては、感染防止策を講じ、撮影時のみマスクを外しています。
2. 使うほどに味わいを増す 木のぬくもりある製品
ゆらぎのリズムで生むリラックス空間
Kさんこうしてショールームで製品に囲まれていると、木の温もりを感じてほっとします。
菅さんそれが無垢の木を用いる最大のメリットかもしれません。木に囲まれた空間で過ごすことでリラックスに深く関わる「1/fゆらぎ」の効果があることがわかっていて、寝室の中にだいたい45%くらい木があれば、もっとも深く眠れるという研究結果もあります(慶応義塾大学(理工学部)伊香賀俊治教授による調査)。人間の生理的な部分への影響ですね。
Kさん無垢のフローリングを検討される方の多くは、ご友人のお宅などで体験されて、踏み心地が全然違った、裸足でも気持ちがよかったなどとおっしゃいます。ただ、多くのお客さまにとって「憧れの製品」という感じがあって・・・。
菅さんはい。憧れるけど実際お住まいへの採用を見合わせる方が多い、というのは承知しております。あるリフォームの雑誌でも、7割のお客さまが無垢を使いたいと回答しているにもかかわらず、実際に使ったのは1割という結果が出ています。無垢がいわばブランド化してしまっているんですね。
Kさん そうですね。無垢にはやはり、ちょっとお高いというイメージがありますね。それ以外で採用を見送る理由としては、無垢は反りやすいとか、長く使うと歪みが出てきやすいという印象があること。あと、小さいお子さんがいるご家庭ですと、水に弱く、汚れやシミがつきそうで心配という声が多く、プランナーとしても、汚れや傷に強いシート張りの製品をおすすめしたほうがいいかな、と考えてしまいます。
経年美化を楽しむ
竹本さん そうなんですよね。汚れへの対応、メンテナンスについてはよく聞かれるのですが、表面にかなり細かな粒子の塗装をかけているので、基本的には、汚れが染み込んでいくというようなことはありません。汚れが付いたときにすぐに拭いていただければ大丈夫です。
菅さん 確かに傷もつくのですが、無垢の木だからこそ削れば直せる、というのがあって。シート張りの製品ですと、シートが剥がれるともう取り替えるしかありませんが、無垢材なら削って修理することができます。そして無垢の木の最大の魅力として、傷がついたり汚れがついたりしても、5年10年経っても、「味わい」がでてきます。逆転の発想ですね。経年劣化ではなく経年美化を楽しむ。
Kさん 色の変化もいいですよね。日に焼けて少し色が濃くなったりする、それもまたいい味わいになります。
竹本さん 「本物志向」で選んでいただきたい、という気持ちもあるんですよ。食品や化粧品にオーガニック製品を選ぶ方が増えてきましたが、これからの時代、モノを買うときに、材料がどうやって作られ、どういう風にここまで運ばれてきたか、そうしたところまでを意識する消費者が増えていくと思います。
竹本さん 弊社の製品は苗木から育てて、一次産業から三次産業まで全て自社でやっています、というところも含めて、選んでいただけたらいいな、と思っています。
Kさん 時代の流れ的にも、長い目で見て本物を選ぶという傾向はあるように思います。特にリフォームをされるお客さまは、「今よりもよくしたい」という付加価値を求めて工事をされるわけですので、ちょっとお値段が上がってもいい物を使いたいという方は多いです。
菅さん 製品の背景を含めてご理解いただいて選んでいただくことで、より満足度の高いリフォームにもつながるのかな、と考えています。
――せっかくのリフォームですから、納得のいくものを選びたいですよね。経年とともに味わいが増す無垢の製品なら、今まで以上に我が家にも愛着がわきそうです。
このお話は、リフォームのプロに聞いてみた【コラムVol.16 part3】に続きます。お楽しみに!
株式会社ウッドワン 営業本部 開発営業部菅 章郎さん 竹本 萌香さん
家づくりに欠かせない木製の建材から、キッチンや洗面台などの住宅設備に至るまで、株式会社ウッドワンの製品は多くの新築やリフォームの現場で使用されています。その販売に従事されている、木質建材のプロフェッショナルのお二人です。
取材・文:Amiko KOGA (Escript) 撮影:Kotaro KIKUTA
リフォームコラム 【Vol.16 part3】は、2021年2月12日頃に更新予定です。