住まい・暮らしのリフォームコラム

メーカー&職人インタビュー 【Vol.18】

窓からはじめる健康生活 快適な暮らしのカギとなる窓リフォーム.part3

2021年6月11日

「窓」をはじめとした建築用プロダクツを通して、健康で快適な暮らしを提案するYKK AP株式会社。窓はもちろん、玄関ドア・カーポート・エクステリア等々たくさんの製品がずらりと並び、実際の暮らしがイメージできる、東京新宿のショールームにて、リフォームのTAKEUCHIのプランナーTさんが、YKK APの清水さんにお話をうかがってきました。※撮影に際しては、感染防止策を講じ、撮影時のみマスクを外しています。

3. 健康で安心に暮らすための窓まわり

出典 YKK AP:大開口テラス戸「ワイドスライディング」

自然の風を取り込み、上手に換気する

Tさんこのコロナ禍で窓や玄関ドアの「換気」機能が以前と比べて注目されるようになりましたよね。

清水さんそうですね。「換気」は「通風」と違って建築基準法でも定められています。「通風」は窓などを開けて風を通すことで、涼しさなどを感じればいいのですが、「換気」となると、室内の空気を外の空気とまるまる入れ換えなければなりません。

Tさん換気を意識して窓まわりのリフォームを行う場合、ポイントはどんなところになるのでしょうか。

出典 YKK AP:FIX窓の両側に、縦すべり出し窓の吊り元を方立にした「ウインドキャッチ連窓」

清水さん窓の位置や高さを工夫する必要があります。まず入口と出口を意識すること。窓の場所を変えられるのであれば、部屋の対角線に窓を配置するようにして、高低差がつけられると尚いいですね。 風が低いところから入って高いところに出るようにしてあげると、部屋全体の空気が効率的に入れ換わります。

あとは「ウインドキャッチ」で、風をちゃんとキャッチできる窓にすることです。 多くの住宅は、左右にスライドする窓「引き違い窓」がついていると思うんですが、住宅密集地で隣家が近い場合、風が壁つたいに抜けてしまって、室内に入ってこないんですよ。

縦にすべり出す窓「ウインドキャッチ」を設置することで、風を室内に誘導し、風の流れを作り出ことができます。弊社の製品「マドリモ」のカバー工法を使えば、外壁工事をすることなく、簡単に取り替えができ、換気量を大きく上げることができます。

 

 

細かい網目で防虫性の高い「クリアネット」

リフォーム用玄関ドア「かんたんドアリモ」。通風機構の有を選択すれば、鍵をかけたままでも、換気が可能に

Tさん窓の違いでこんなに換気効率が違うんですね。家の換気は、コロナ禍で日常のことになりつつあるので、効率的に空気の入れ換えができるのは大事ですね。それと最近「玄関ドアに網戸を設置したい」というお問い合わせも増えています。

清水さん網戸なら、弊社では「クリアネット」という製品がありまして、網目が細かく虫が入りにくいのと、糸の径が細く網が見えにくいので景色がクリアに見えるという特徴があります。通風量も従来品より多くなります。

Tさん網目が細かいと風が入ってこないイメージがありますが、逆なんですね。

清水さんはい、網だけ購入いただいて、張り替えることもできますので、ぜひご検討いただきたいですね。それと、玄関に網戸を設置したいけれど、鍵がかけられず防犯面で心配、という声があると思うんですね。そんなニーズに応えて、通風機能を備えた玄関ドアがあるのですが、昨年から急速にこちらの問い合わせも増えています。設置も、「ドアリモ」といって、「マドリモ」同様にカバー工法で、新しいドアへの取り替えることができるので、リフォームしやすいと思います。

 

 

 

 

 

 

災害被害やプライバシーに配慮した安心

出典 YKK AP:「耐風シャッターGR」。手動式と、リモコン操作式、通風・採光できるスリット入りのラインアップがある。

Tさん窓に関するご要望ではもう一つ、「台風やゲリラ豪雨がひどいので、対策でシャッター付けたい」という方が増えていますね。

清水さんはい、関東地方にも大きな被害をもたらした2019年の台風19号が記憶に新しいですが、窓の対策が心配という声から、弊社でも2020年に、従来比1.5倍の耐風圧性能1,200Pa(パスカル)の負圧でも、窓を守る強固なシャッター「耐風シャッターGR」を発売しました。

Tさん負圧って、あまり聞きなれない言葉ですね。

清水さんそうですよね。強い風が吹く時、風が家を押した後に、家から引き抜こうとする力が加わります。引っ張る力で「負圧」と言うんですが、シャッターの場合は、それにいかに耐えられるかという点にも注目する必要があるんですね。また、「耐風シャッターGR」は、リモコン操作で開閉できることと、スリット入りの製品もあるので、シャッターを閉めつつ採光・採風ができます。近隣の視線や防犯上窓を開けて寝られない、というご家庭におすすめです。

Tさん台風などの被害だけでなく、プライバシーを守るという意味でもあると便利ですよね。ただ、東京23区内ですと、防火地域や準防火地地域であることがほとんどで、スリットがあるシャッターの設置は可能なのでしょうか?

清水さん残念ながら、防火地域や準防火地地域は、スリット入りのシャッターの設置はできません。その場合は、スリットなしの製品の設置となりますが、リモコン操作は可能です。このようなリモコンシャッターは、HEMS(家庭で使うエネルギーを節約するための管理システム)機器等と連携可能になっていますので、ぜひご自宅のスマート化としてもご検討いただければと思います。

――コロナ禍で変わる暮らしの1つとして換気は重要な点ですが、毎日の事なので、より効率的に換気できるといいですね。快適さだけでなく家族の健康にもつながる窓リフォームや玄関リフォームを、取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

リフォームコラム 【Vol.18 part3】は、2021年6月25日頃に更新予定です。