住まい・暮らしのリフォームコラム

メーカー&職人インタビュー 【Vol.21】

自然との一体感が心地いい お庭やベランダの外空間を楽しむ新しい暮らし方

2021年11月19日

国内トップクラスのガーデニング関連製品を取り揃え、プロはもちろん、一般のお客さまも実物を見て触って見学することができるTakasho(タカショー)ショールーム。和風洋風、様々なガーデンスタイルに対応したガーデニングファニチャーもならび、コロナ禍で注目されているアウトドアリビングを体感しながらお話を聞いてきました ※撮影に際しては、感染防止策を講じ、撮影時のみマスクを外しています。

1. “より良い庭での暮らし”を提案し急成長を続けるガーデンエクステリアの専門企業

ニーズに応えたいという想いから誕生したヒット製品

左:リフォームのTAKEUCHIプランナーTさん 右:タカショー真茅さん

リフォームのタケウチ プランナーTさん(以下Tさん)今回初めてタカショーさんのショールームにお邪魔したんですが、併設されているカフェ&ショップもこのバルコニーも、緑が豊かで居心地がいいですね。さすが、プロがプロデュースした!という空間です。住宅設備を取り扱うメーカーの中でも、タカショーさんはガーデンエクステリアに特化して製品展開されていますよね。どのようなきっかけで創業し発展されたのか、会社の沿革からご紹介いただけますか?

タカショー真茅さん(以下真茅さん)はい。私どもの本社は社長の地元になる和歌山県海南市にあります。はじめは、竹をメインに地域の造園屋さんや植木屋さんへ庭園資材を販売する会社として創業しました。わずか4人からのスタートで、竹垣を縛る黒い紐、「棕櫚縄(シュロ縄)」と言うんですが、これだけを販売していたんですね。 1980年なので、41年前のことです。

Tさんえっ!でもタカショーさんは国内と海外にも支店やグループ会社がありますよね。一代でこの規模にまで会社を大きくされたのはすごいですね。何か急成長のきっかけになった製品があるのでしょうか。

真茅さんそうですね。「エバーバンブー」という製品名で販売していますが、これが会社を大きくするきっかけになった大ヒット製品です。造園業のお客さまから、“竹垣の色がすぐ変わって腐ってしまうので、何かいい方法を考えてくれないか”というご要望をいただくことが多かったことから、樹脂で人工の竹垣を作りました。すると、温泉地など特に竹が腐りやすい場所の設置に最適ということで、急速に普及したんです。

出典:タカショー エバーバンブー施工事例

Tさん温泉旅館やホテル、最近ではスーパー銭湯にも、和の趣を演出する素材として竹垣が採用されていますよね。それがタカショーさんの「エバーバンブー」ということですか。

真茅さんそうですね。「エバー(EVER)」の名のとおり、竹垣の美しい表情がずっと続くということで、圧倒的なシェアを誇るようになりました。

 

 

出典:タカショー エバーアートウッドカタログ

真茅さんそしてその後も、人工の再生木材など様々な製品を開発してきましたが、2005年に新たなエバーシリーズとして、木肌のニュアンスを忠実に再現したアルミ材「エバーアートウッド」を発売、さらにもっと大きな面に利用いただける建材として「エバーアートボード」も発売し、一般住宅のフェンスや門柱だけでなく、マンションや集合住宅のエントランス、商業施設など、多くの場所で採用いただけるようになりました。

 

 

造園製品に対するパイオニアのプライド

Tさん“人工木材”というと、本物にはかなわない、造られた素材感なのではないか…という思い込みがあったのですが、実物を手にして見ても決してそんなことはないですね!木目の表情がそのまま再現されていて、あたたかな木肌感がしっかりあります。

真茅さんエバーバンブーも、「本物以上に本物でないとダメ」という社長の信念のもと、最高品質ブランドの「古竹・こだわりの竹シリーズ」は15年以上の歳月をかけて完成しました。「本物以上に本物」を目指したこだわりが、私どもの製品の自慢です。

Tさん本当に見事ですね。そして見た目も素晴らしいのですが、軽いことにも驚きです!

真茅さんこちらは、エバーアートウッドのブースです。これらはアルミ材に高耐候性のラッピングシートを貼って仕上げています。最大の魅力は豊富なカラー展開で、現在は全部で67色ですね。内装材、例えば壁紙でもこれほどのバリエーションはなかなかないと思います。

Tさんそうですね!まさに外で使える壁紙という感じですね。

真茅さんこちらも「エバー」の名のとおり、木目の綺麗な表情がずっと続くということで好評をいただいています。設置から10年以上が経過してもほぼ変わらないという実績もありますので、安心して使っていただけると思います。

Tさん住宅設備でも、汚れたり傷んだりして永久的に同じ状態をキープするというのは難しいですが、屋外で使用する製品でこれだけの耐久性を維持するという点も、製品づくりに企業努力があるのでしょうか?

真茅さんそうですね。弊社以外でもエクステリア製品を取り扱う企業さんはいらっしゃいますが、多くは室内設備の製品から屋外という流れで新出してこられたのに対して、弊社は庭からスタートした会社ですので、やはり庭に携わるお客さまニーズをかたちにすることにはこだわりがあります。 現場の声を聞き、お客さまと一緒に開発していこうという考え方がベースにあるんですね。ガーデンライフスタイルを提案する、庭のオンリーワンの会社になろうという企業理念のもとに、他社にできないことに挑戦し続けています。

Tさん素晴らしいですね。ニーズをかなえるだけでなく、製品に対するクオリティも、私たちもプロとして見習わせていただきたいです。

――ニーズをかなえるだけでなく妥協を許さない姿勢から生まれた製品だからこそ、今日の私たちの暮らしの中にも多く採用され、日本らしさや豊かさをもたらしてくれているんですね。次回はコロナ禍で注目が集まる、お庭やベランダでくつろぐための空間づくりについてご紹介します。

 

リフォームコラム 【Vol.21 part2】は、2021年11月26日頃に更新予定です。