収納もカスタマイズな時代へ ライフスタイルを豊かにするストレスフリーな収納
2022年3月11日
インテリア建材の中でも収納の分野で経営革新にチャレンジし、近年では新ブランド「収納生活NANKAI」が好評で業績を伸ばしている南海プライウッド株式会社。東京ショールームには実際の部屋のように仕切られた空間がいくつもあり、収納の実例を見ることができます。今回はリフォームのTAKEUCHIのプランナーSさんが、ショールームを見学させていただきながら人気の収納システムについてお話を聞いてきました。
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1. 原材料の調達から製品企画・設計・製造・販売まで自社で一貫体制を構築
合板工場から豊かな暮らしを提供する収納メーカーへ
リフォームのTAKEUCHIプランナーSさん(以下Sさん)御社は来年で創業80周年を迎えられるとのことですが、これまでの会社の歩みはどのようなものだったのでしょうか?
南海プライウッド岡﨑さん(以下岡﨑さん)はい。弊社は1942年に香川県高松市で合板の製造販売を目的に「香川合板工場」として創業しました。しかし当時取り扱う製品は、「和室の天井板」のみだったんです。
Sさんえっ!天井板のみですか。
岡﨑さんはい、今だとその製品だけで会社が成り立つのだろうか…と思いますよね。その後1955年に、高度成長する経済を見据え「南海プライウッド株式会社」を設立しました。プライウッドというのは、“木材を積み重ねて接着した合板“という意味の言葉なんですよ。
その頃には天井板だけでなく、合板を使った様々な製品を作るようになっていましたが、特に1966年から生産を始めたラミネート天井(合板を芯にし、表面を木目のシートなどで仕上げた天井材)はベストセラーとなりました。しかし、時代の変化とともに和室が少なくなって、ランバー材(合板や集成材に、薄くスライスした化粧無垢材を貼り合わせてできた板材)を使って押入れの棚板をつくるようになり、次第に収納へと移っていったんです。
Sさんなるほど、和室の天井→押入れ→収納とつながってたんですね。収納システムをメインにシフトされたのはいつ頃ですか?
岡﨑さん1990年代の半ばくらいからでしょうか。アートランバーという棚板を出したことが大きく、スギの木目の印刷技術を生かして棚板にしたもので、当時は他にこのようなものはなかったんです。
地球環境に配慮する「ECO - RING SYSTEM」
Sさん御社の製品に木は欠かせないものだと思いますが、その資源となる木材はインドネシアで生産されているんですね。
岡﨑さんそうなんです。インドネシアの休閑地を活用して、マメ科の早成樹ファルカタを育てています。生産から自社で管理することで資源の安定確保、価格の安定化、現地での雇用創出などにつながっています。また、私たちは森林環境に大きく関わる事業ですので、循環農耕型の植林事業「ECO – RING SYSTEM -エコリングシステム-」にも取り組んでいます。
Sさん「ECO – RING SYSTEM」?ですか。
岡﨑さんはい。約7年で巨木へと生長し、製品化が可能になるファルカタの特性を活かし、7年周期で植樹~収穫をサイクルで繰り返す、循環農耕型の植林事業です。サイクルを繰り返すことでダメージが少なく、より自然に近い形態で森を創り、CO2削減、地球温暖化防止に貢献したいと考えています。
Sさんなるほど。そうした森がインドネシアの3拠点にあるんですね。「ファルカタ」という名を初めて聞きましたが、どのような植物なんですか?
岡﨑さん東アジア原産のマメ科の植物で、成長が早いんです。植林して7~8年で幹の直径が40~50㎝くらいになり、原料として使用できます。それにファルカタは他の木材に比べて、非常に軽いんですよ。 採れた木材は1次・2次加工をインドネシアで行い、香川県に運んで製品にします。香川県内には工場と倉庫もあり、製造・生産・物流の拠点はすべて自社で行っているんです。
Sさんそれはすごいですね!原材料の採取から100%自社で生産されてる、ということですよね。
岡﨑さんはい、こうした一貫体制をとる事で、弊社の製品はコストの軽減にもつながっています。
Sさんそうなんですね。また持ってみるとよく分かりますが、本当に軽いですね。耐久性はどのくらいなのでしょうか?
岡﨑さんファルカタ材を接ぎ合わせたものを芯材にして合板で挟み込んだ三層構造なので、パーティクルボード(木材のチップを加熱圧縮した板)と比較すると、30%以上も軽いのに、強度はそれ以上なんです。強度試験、破断・破壊の試験でもよい成績を収めています。また、たわみが起きにくいなどの長所があります。カットした後の断面が崩れず、見た目もきれいです。こうした加工のしやすさから、今では弊社の製品は41種類もシリーズがあるんですよ。
Sさん確かに。収納に特化して製品の種類も数も多いので、今までたくさんのお客様のお住まいに採用させていただいています。一貫体制のお話をお聞きして、より安心感をもってお客様におすすめしたいなと思いました。
――独自の一貫体制で、高品質&高性能な製品を開発しているのですね。コロナ禍で自宅で過ごす時間が増え、収納を見直す方もいらっしゃると思います。ご自宅に取り入れたい収納製品を探してみてはいかがでしょうか。 【コラムVol.23 part2】はショールームで見せていただいた、南海プライウッドの人気の収納プランをいくつかご紹介します。
南海プライウッド株式会社首都圏営業グループチーフ 岡﨑 勇典さん
収納をメインとした製品の開発・製造・販売を全て自社一貫体制で行ない、ライフスタイルを豊かにする提案を発信する南海プライウッド株式会社で営業職に従事。ユーザーニーズに合わせた自社製品の提案と収納のアドバイスも行う、収納のプロフェッショナル。
取材・文:Kyoko TODA 撮影:Tsutomu MURAYAMA
リフォームコラム 【Vol.23 part2】は、3月25日頃に更新予定です。