住まい・暮らしのリフォームコラム

メーカー&職人インタビュー 【Vol.26】

家のどこにいても冬も夏も快適! 健康に過ごせて省エネ効果も期待できる断熱リフォーム

2022年11月25日

住宅設備建材メーカー最大手で、新築・リフォーム問わず多くのニーズに応えるべく、幅広い製品と住宅関連サービスを展開する株式会社LIXIL。住宅の高性能化と省エネの視点から、この度新たに開設された断熱性能の違いを体感できるショールーム、「住まいStudio」にTAKEUCHIのリフォームプランナーHさんが訪れ、高断熱な住宅がもたらす効果や一年を通して快適な暮らしを送るために必要なリフォームアイデアを体感しながら聞いてきました。

1. リフォームで既存住宅の断熱性を新築住宅と同レベルに

LIXIL本城さん(写真左)と、TAKEUCHIのHさん(写真右)

リフォームのTAKEUCHI Hさん(以下、Hさん)テレビでもLIXILさんのコマーシャルを最近よく見ますね。水まわり機器のイメージが強いのですが、“株式会社LIXIL”として誕生したのは、何年でしたっけ?

LIXIL 本城さん(以下、本城さん)2011年4月です。トステム、INAX、新日軽、東洋エクステリア、サンウエーブ工業の5社が統合して生まれました。

Hさん10年以上経つんですね。キッチンや浴室、トイレ、洗面所など水まわりの設備機器、窓やドアといった住宅建材など取扱製品が本当に幅広く、リフォーム希望のお客様が必ず検討されるほど、いつもお世話になっています。

LIXIL本城さん。住宅の高性能化推進のため、断熱建材を中心に関連事業者への説明や普及活動もされている。

本城さんありがとうございます。弊社では中核となる事業に、水まわり設備等の「ウォーターテクノロジー事業」と、窓やドア、エクステリア建材などを扱う「ハウジングテクノロジー事業」があります。ハウジングテクノロジー事業は、太陽光発電システムや断熱建材も含まれているため、住宅の高性能化推進と脱炭素社会の実現にも力を入れているんですよ。

Hさんそうした取り組みから、今日見学させていただく「住まいstudio」ができたのですね。リフォームって、壊れた箇所を直してきれいにするというイメージが強いのですが、昨今の光熱費高騰で、“暮らしに必要なエネルギーをいかに抑えられるか”というご相談も増えてきているんですよ。住宅の高性能化というと、具体的な製品はどのようなものがあるでしょうか?

出典:LIXIL 冬の暖房時における熱の流出割合。窓のような開口部が約半数を占める。

出典:LIXIL 室内側に窓を足す「インプラス」

出典:LIXIL 窓そのものを交換できる「リプラス」

本城さん暮らしのエネルギー消費の中で占める割合が大きいのは、冷暖房ですね。これから寒くなってくる時期は年間で最も、電気・ガスの光熱費が高くなるお宅が多いと思います。しかし、暖房温度を高く設定して高い光熱費を支払っているにもかかわらず、お家全体が暖かいという実感をえられないお話しもよく耳にしますよね。 実は、室内で暖めた熱が窓やドアといったお家の開口部分からたくさん逃げていたんです。

リフォームで逃げる熱を抑える方法には、弊社の製品では、内窓の「インプラス」や、断熱性の高いトリプルガラスへリフォームできる「リプラス」などがあります。また玄関も熱の出入りが多い箇所ですので、リフォーム用玄関ドアの「リシェント」もおすすめです。

Hさん「インプラス」は、今までたくさんの現場で採用させていただきました。数時間の簡単な工事で取り付け可能で、断熱性はもちろん結露や防音にも効果も高く、お客様からも“もっと早く取り付ければよかった!”というお声をよくいただきます。

本城さんありがとうございます!嬉しいお話しですね。また、こうした部分断熱でも効果はありますが、壁や屋根・床などからも熱は出入りしますから、さらに断熱性能を向上させるためにおすすめしているのが「ひとへや断熱リフォーム」や「まるごと断熱リフォーム」です。

出典:LIXIL わずかな厚みながら断熱効果が高い、真空断熱パネルを壁と床に施す「ウォール インプラス」「フロア インプラス」に加え、窓の断熱 「インプラス」を組み合わせた、ひとへや断熱の「ココエコ」。

Hさん「ひとへや断熱リフォーム」は、「ココエコ」と言われる一部屋に特化した工法を用いたリフォームですね。

本城さんはい、断熱したい部屋の内部に、ウォールインプラスやフロアインプラスという、真空断熱パネルを入れて断熱する方法です。また先ほどご説明させていただいた窓のインプラスを足すことで、より効果を発揮します。また「ココエコ」は、数日で完了できる比較的規模の小さい工事で、廃材が少ない点においてもエコな断熱リフォーム工法です。平成26年度には省エネ大賞の「省エネルギーセンター会長賞」を受賞し、他にも多くの賞を受賞してるんですよ。

Hさんエコで環境に優しく、効果も高いなんていいことばかりですね!そして「ココエコ」以上の断熱効果が期待できるのは、「まるごと断熱リフォーム」でしょうか?

出典:LIXIL 高性能断熱リフォームパネルによる壁断熱、天井断熱(吹込み用グラスウール)、床断熱(吹付け硬質ウレタンフォーム)、開口部断熱(高断熱サッシ・玄関ドア)などの組み合わせで、一棟まるごと断熱リフォームを行う「まるごと断熱リフォーム」。

本城さんそうです。「まるごと断熱リフォーム」は、LIXILが企画製品化した、高性能断熱リフォームパネル「スーパーウォール」を室内壁に用い、天井と床は吹き付けのウレタンフォームで充填する、住宅一棟まるごと断熱する方法です。

熱は温度の高い所から低い所へ移動します。住宅においても、冬場の場合は開口部、外壁、床、屋根、換気口など、あらゆるところから熱が外へ逃げていきますので、室内の快適な温度を保つためには、家一棟まるごとの断熱対策が理想です。しかし、住宅の省エネ基準が年々レベルアップしていることもあって、実は日本の家の90%が現行の省エネ基準を満たしていません。

Hさん90%ですか?! 確かに断熱は目に見えない部分となるため、真っ先に断熱のことから相談されることはまだまだ少ないです。また費用も見当がつきにくく、工事に対する不安も大きいと感じています。

本城さんそうなんですよね。もっとわかりやすくお伝えできればいいのですが、断熱効果は体感いただく以外に方法がないので、私共も頭を悩ませております。ただ、費用の面で言いますと、条件で異なりますが、新築・建替えで高性能住宅にする場合、約2700万円ほどかかります。一方、まるごと断熱リフォームでは約1600万円くらいで済みますので、断然お得ですよね。

 

Hさん確かに大きな違いですね。また費用や省エネ以外、どのようなメリットがありますか?

本城さん断熱リフォームは、健康への影響が大きいんですよ。まずは、手足の冷えが解消されますよね。また血圧が上下することで心臓や血管の疾患が起こるヒートショックは、寒暖差が引き金になることが多く、家全体の断熱性を高めて部屋間の温度差を少なくすることが大切です。さらに断熱性が高くなることでダニやカビの発生が抑制され、アレルギーや気管支喘息、アトピー性皮膚炎も改善されたというデータもあります。

診断により断熱性能を数値化。見える化することで、体感でしか分からなかった断熱性能を比較することが可能。

Hさん長年自宅の寒さ、暑さに関して慣れてしまったお客様も多いと思いますが、断熱性能はどのようにしたらわかりやすく提案できるでしょうか。

本城さんそうですね、断熱診断でリフォーム前と後の数値を比較し、具体的に説明していく必要があると考えます。数値化することで、どのような工事が必要かもわかりやすくなると思います。

具体的には、これからご案内する住まいStudioで見てみましょう。 冷暖房の効率がよくなれば、電気やガスの使用量が減ることでCO2削減にもつながり、地球温暖化対策にも貢献することができますよ。

――断熱リフォームについて興味を持っていただけたでしょうか。【コラムVol.26 part2】では「住まいStudio」を見学させていただき、昔の家・今の家・これからの家を比較して体感したことをお伝えします。

次回も【Vol.26】「家のどこにいても冬も夏も快適! 健康に過ごせて省エネ効果も期待できる断熱リフォーム」part2は、12月2日頃に更新予定です。