住まい・暮らしのリフォームコラム

リフォーム体験談 【Vol.10】

好きな物に囲まれて過ごす時間を増やす
心地よい暮らしを実現するリフォーム.part4

2020年6月26日

タケウチでリフォームをしていただいたN様ご夫婦の「リフォーム体験談」をご紹介します。
「家全体を憧れの北欧スタイルに一新すること」をテーマに始めたリフォームですが、プランニングの過程では迷いが生じることも多かったようです。鍵になったのは「ゾーニング」という考え方。共有部分はシンプルに、夫婦それぞれの空間はそれぞれの好きなもので彩る。この考え方を取り入れたことで、心地よい暮らしが実現できたそうです。〈前回までのお話はこちらから〉

4.整理収納の技が生きたリフォーム

場所ごとに目的を決め、必要な物の配置を考える「ゾーニング」の考え方でシンプルなリビングと好きを詰め込んだ自室を実現したN様ご夫妻。奥様が整理収納アドバイザーということで、今回のリフォームでは、準備段階から引き渡し後の片付けに至るまで、プロならではの「技」が光りました。

Aさん今回は浴室をのぞく全面改修でしたので、2週間ほどご夫妻に仮住まいをお願いして、集中工事をさせていただいたのですが、この規模の改修にも関わらず、荷物を移したり、引越しをしなかったのですよね。

奥様が、最後の工程になる和室一室に家中の家具や荷物を納めてくださってて。それも、戻ってきてから使う順、取り出す順まで考えられていて、ちゃんと最初に必要なものが出てくるんです。驚きました。

 

奥様そこは一応プロなので、考えて入れましたね。家中の荷物を一室に納めるとなると、ギリギリ入るか入らないかという感じだったので、無駄な隙間がないように整理しながら入れなければならなくて。うまくいってよかったです。

Aさんキッチン、カップボードは、奥様がショールームに何度も通われて決められたものなのですが、その選び方が整理収納アドバイザーならでは、でしたよね。

 

無理せず手が届く高さを考えた吊り戸棚の収納。扉が跳ね上げ式なので、調理中などに開けっ放しにしても、頭をぶつけたりせず、安心して使えます。

奥様こだわりましたね。キッチンの吊り戸棚は限られたキッチン空間を無駄にしない、貴重な収納スペースですが、背の低い私にはやはり扱いにくいところがある。それで、手の届く低めの高さに戸棚がある、跳ね上げ式扉のものを選びました。目の高さの収納は、普段使いの食器やキッチンツールがパッと出し入れできてとても便利です。

スライド式の棚はあらかじめ仕切りなどが設けられていないものをセレクト。100円ショップなどで売られている小物入れなどを活用して、使い勝手のいいように仕切りをつくり、分類して入れていく。

奥様そして、レンジやシンクの下はスライド式の棚を選びました。観音開きのほうが、収納量は多く確保できるのですが、収納する物を考えると、立てて入れることで、上から見やすく整理したほうが使いやすいので。

特に、重めの調理器具を入れることが多い下段の棚については、鍋の蓋やフライパンを立てて入れるのに、どうしてもA4縦型のボックスファイルが入れられるものにしたいと探したんですが、それだけの高さを確保できる商品は数少なくて。

……とまあ、こんな感じでものすごく細かく見て選んでいたもんだから、ショールームの担当さんからも覚えられちゃったわけですよ(笑)

 

 

 

 

 

―そしてもう一つ、奥様の整理収納のプロならではのアイデア満載のキッチンですが、一箇所ご旦那様のこだわりが。

旦那様ガスコンロをIHクッキングヒーターに変えること、それだけは譲りませんでした。僕のもう一つの趣味は美味しいコーヒーを淹れること。IHで湧かしたお湯で淹れたコーヒーを飲みながら、リビングでくつろぐのが至福の時ですね。

―リフォーム工事を経て、好きなものに囲まれて過ごせる時間が増えたと話すN様ご夫妻。そしてそれは、整理収納の目的でもあるそうです。

奥様理収納のご相談で、きれいな部屋の写真を持ってこられて、「こんな風にしたい」とおっしゃる方がおられるんですが、美観優先で物を捨てればいいかというと、そうではないんですね。そこに暮らす人が「生きやすいように整えること」が大切なんです。だから、どのぐらいの物をお持ちかを拝見して、その方の思い出を大切にしつつ、心の折り合いをつけて物を減らすお手伝いをしていきます。

リフォームも同じなんじゃないでしょうか。ただキレイになればいい、というわけではなくて、まずは自分たちの暮らしありきで考える。暮らしやすいように整えていく一つの選択肢なんだと思います。

次回はテーマが変わります。リフォーム体験談! 【Vol.11】は、7月に更新予定です。