ものを大事にする想いが紡がれ、人と人とのつながりを大切にしたリフォーム.part3
2021年8月6日
TAKEUCHIでリフォームをしていただいた、K様の「リフォーム体験談」をご紹介します。 長く所有しておられるビルの管理のご経験から、リノベーション工事の知識を豊富にお持ちの施主のK様。そんなK様が、同ビルの一室であるご自身の事務所をリフォームするに際してTAKEUCHIに求めたのは、今あるものを大事にしつつも、新たなアイデアを提案してくれる「アドバイザー」としての役割でした。※撮影に際しては、感染防止策を行い、撮影時のみマスクを外しています。
3. ただ新しくするのではなく古いものの良さを活かすリフォーム
−−事務所リフォームに際しては、TAKEUCHIのプランナーの新たな提案により、理想の空間を実現できたというK様ですが、これまでの工事の中では、逆にK様のアイデアからヒントをいただいた部分もあったそうです。
TさんK様は、お召し物もいつもオシャレで、インテリアにもこだわりをお持ちなので、イメージされているものを形にするため色々考えるのが、とても楽しいですし勉強になります。
K様最近は、ファッションでも家でも、何でも使い捨ての傾向があって、スクラップアンドビルドというのかな、壊して新しくするでしょう。だけどそうすると、まだ使えるものもゴミになっちゃう。私はいつも思うんだけど、全てのものはダメになるまで使ったほうがいい。「壊して新しくしたほうが安上がりですよ」っていう営業をするところが多いんだけど、私はやっぱり目先のことだけ考えるんじゃなくて、古いものの良さを大事にしたいと思うんだよね。
だって、最近の新しいマンションって全部同じに見えると思いません?手前味噌にはなりますが、うちのビルはもうすぐ40年で、確かに古いけれど、それなりに風格があるし、同じようなビルはない。だから、大事にしていきたいと思うんだよね。当然、手は加えないとなんだけど、新しくしちゃうというのではなくね。
−−そうしたK様の想いを形にしたのが、ビルエントランスの改修工事でした。
Tさんタイルは全部貼り替えてしまえば綺麗になりますし、天井も床も壁も、新しい内装材で仕上げて一新することができます。でもこちらのビルは、できるだけ既存のものを活かす形で施工させていただきました。 特にタイルについては、K様から「元のタイルをそのまま活かす形で目地を埋めることはできないかな」というアイデアをいただいて、それを形にしました。
K様いや、普通はそんな大変なことまでして残そうと思わないからね。だけど、このタイルはビルを建てた時にこだわったところで、すごく重厚な感じのするものを採用して、質感がより出るように、浮き出て見えるような貼り方をしたんですよ。今はどちらかというと、ナチュラルなもの、優しい風合いのものが好まれているけど、当時は堅牢なもの、質実剛健みたいな感じが好まれていた。人も建物も、時代に合わせて変えていく必要もあるけれど、古くてもいいものは残して、新しいものを作っていく。
Oさんこうしたお話を聞いてきたからこそ、「新しくするという提案だけでは、きっとK様はご満足いただけないから、既存を最大限活かして、バージョンアップする方法」をTさんと話して、二人で手分けして、実現可能な工事方法や製品を探しました。
K様こちらが想い描いていた以上にいいものを選んでくれて、すごく感謝しています。ただ新しくするよりも、難しいオーダーっていうことはわかるからね。
Tさんいえ、私こそ感謝を申し上げたいくらいです(笑)。知識が増えますし、リフォームに携わるものとして、このようなご要望を形にできた経験が、何より力の蓄積になります。それに「どうしたらK様に喜んでいただけるかな」、とあれこれ考えるのはとっても楽しいです。
−−アイデアを出したり、逆にいただいたりしながら、ものづくりを楽しむことができたと話すTAKEUCHIのお二人。いくつかの工事を経た今、K様との間に、「お客さまと営業」という以上の関係性を感じているそうです。お話は【コラムVol.19 part4】に続きます。 お楽しみに!
取材・文:Amiko KOGA (Escript) 撮影:Kotaro KIKUTA
次回は最終回、「ものを大事にする想いが紡がれ、人と人とのつながりを大切にしたリフォーム」、
リフォーム体験談! 【Vol.19 part4】は、8月27日に更新予定です。