在宅ワークと日常が調和する、家族をつなぐLDK
築37年が経過し、住まいの経年劣化が徐々に気になり始める中、将来の暮らしを見据えて、布団からベッドへの就寝スタイルへの変更もご検討されていました。また、ご夫婦ともに在宅でお仕事をされていることから、それぞれが快適に過ごせる空間づくりや、効率的な生活動線の確保についてもご要望をいただきました。
そこで、ご夫婦が最も長い時間を過ごされるLDKを中心に、キッチンを囲んでいた壁を取り払い、一体感のある開放的な空間をご提案しました。対面式キッチンにすることで、空間全体を見渡せるようになり、“ながら家事”がしやすくなるだけでなく、ご家族が自然とつながる場にもなります。
さらに、リビングの一角にはご夫婦共用のワークスペースを設け、キッチンと適度につながりつつも干渉しすぎないレイアウトにしました。家事と仕事が両立しやすく、LDK全体がより快適で居心地の良い空間へと生まれ変わりました。
以前のキッチンです。囲い壁で独立していたため、「家族の会話に参加できず、寂しさや孤独感を感じる」とのお悩みをいただいていました。また、LDK全体にも圧迫感がありました。
ここがPoint!囲い壁を撤去し、従来の壁付けタイプからリビングに向けた対面キッチンへと変更しました。また、和室は解体して洋室にリフォーム。リビング側の空間を広げるため、洋室は6畳から約4.4畳へと縮小しましたが、ご夫婦のベッドを置ける必要最小限の広さはしっかり確保しています。
壁を撤去したことで、キッチン本体の奥行きを5cm、通路幅も9cm広げることができました。キッチンの先には洗面室と浴室が続いており、横移動だけで家事をこなせるため、家事の効率も格段にアップしています。
ここがPoint!扉の設置も検討しましたが、圧迫感や開け閉めの手間を避け、回遊性のある間取りを活かすためにオープンな仕様としました。その代わり、見た目のアクセントやワクワク感を演出するため、開口部はアーチ型にアレンジしています。
ここがPoint!洗面室と脱衣室の間仕切りにはアコーディオンカーテンを採用しました。スペースを取らず、将来的に車椅子などで広い通路が必要になった場合でも、安心してお使いいただける十分な広さを確保しています。
窓際空間を利用したワークスペース
リビングの一角には、ご夫婦が同時にお仕事をされる際にも余裕をもって使えるよう、空間を最大限に活用した共用ワークスペースとして造作カウンターを設けました。また、マンションの躯体柱と窓の間に生じるデッドスペースには可動棚を取り付け、収納力も高めています。
リビングには、ご主人様が大切にされている映画やDVDのコレクションをたっぷり収納できるよう、一面にオーダーの壁面収納を設置しました。
ここがPoint!最上段はホコリ対策を兼ねて扉付きとし、オープン棚とのメリハリを演出。また天井と棚までの間にあえて空間を設け、植栽や写真を飾れるようにしました。アクセントクロスもポイントです。
玄関にはトールタイプの収納を採用し、車椅子でも通行できるよう十分な通路幅を確保しました。たたき部分はフロアタイルに貼り替え、柄がランダムで貼り方によって印象が変わるため、事前に実物を見ながらお客様と相談して決定しました。また、靴の脱ぎ履きに便利な折りたたみ式の玄関ベンチも設置しています。